
SMOとはSite Management Organizationの略で、治験が行われる施設を支援する組織という意味です。具体的には治験を実施する病院やクリニックと契約し、治験の仕事を支援する企業のことを言います。シミックヘルスケア・インスティテュートやEP綜合などもSMOです。では、SMOが具体的にどのような業務を行っているのか、更に詳しく調べてみましょう。
SMOとはSite Management Organizationの略で、治験が行われる施設を支援する組織という意味です。具体的には治験を実施する病院やクリニックと契約し、治験の仕事を支援する企業のことを言います。シミックヘルスケア・インスティテュートやEP綜合などもSMOです。では、SMOが具体的にどのような業務を行っているのか、更に詳しく調べてみましょう。
SMO(治験施設支援機関、Site Management Organizationの略)とは治験を実施する病院やクリニックと契約し、治験の仕事を支援する企業のことを言います。治験に関わる医師や看護師、事務局や製薬会社の仕事を支援することにより、治験の品質・スピード向上の支援をしています。
従来の治験は大学病院や大病院を中心に行われていましたが、治験の対象である被験者の数が少なく、通院時間の制限などのため被験者の協力を得ることが難しく、治験の進行が遅れるといったデメリットが発生していました。一方で高血圧症や糖尿病などの生活習慣病や、感染症などの急性疾患の治験は地域の開業医が中心となって行われており、治験の複雑な手続きについての専門家が求められていました。
平成10年4月に治験を実施するための法律「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(新GCP)が施行され、治験を行なう時の基準が非常に厳しくなりました。これにより、治験が行われる医療機関での書類の整備・管理が複雑になり、海外で治験をおこなうという「治験の空洞化現象」が見られるようになりました。
こうした中、治験の空洞化を避け、日本での治験を促進するために治験を実施する医療機関の外部支援機関としてSMOが誕生し、平成15年7月の改正GCP省令でSMO業務が法令上、正式に認められました。SMOが誕生することによって治験に協力する被験者の数が増え、書類の管理が楽になり治験期間を短縮できると考えられています。
SMOはかつて200社程度が乱立していましたが、中小SMOの淘汰・再編が進んだ結果、現在の日本国内のSMOの数は40社前後へと減少しています。減少した理由としては
などがあげられ、将来的には7~8社のグループに集約されると言われています。
SMO業界全体の市場規模は400~450億円前後となっています。新薬開発の主流が、症例数の多い生活習慣病などプライマリー領域から、症例数の少ない癌などのオンコロジー領域へと変わってきたことで、規模の拡大を見込むことが難しくなっています。
また、日本の治験・臨床研究の活性化に関する取り組みは、2003年の「全国治験活性化3カ年計画」に始まり、2007年の「新たな治験活性化5カ年計画」、2012年の「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」、2014年・2020年の「医療分野研究開発推進計画(第1期、第2期)」へと続いています。内容は日本発のシーズによるイノベーションを進展させ実用化につなげるなど、臨床研究と治験活性化をより積極的に推進するものへと変化しています。
以上のことからSMOの今後は中小SMOの淘汰・再編が進むと同時に、SMOの役割が治験から臨床研究へと徐々にシフトしていくと考えられます。
SMOの売上高と従業員数
※SMOは日本SMO協会の会員のみ。
※日本SMO協会データ2021より出典
SMOの業務は「治験の準備と実施」「IRBの設立運営」「CRCの教育」など、病院で行われる治験に関する、ほぼ全ての業務であると言えます。
SMOと医療機関との関係は契約によって異なります。
派遣契約型
委受託契約型
SMOは実施医療機関側、CROは治験依頼者側として異なった業務を行っていますが、両社とも同じ治験業務に関わるためSMOにはCROを母体とする会社が多くあります。
CROを母体とするSMO一例 | |
CRO | SMO |
シミック株式会社 | シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社 |
イーピーエス株式会社 | 株式会社EP綜合 |
株式会社メディサイエンスプラニング | ノイエス株式会社 |
SMOとCROはそれぞれ独立した会社として存在する。
治験の実施において信頼性を確保したデータを得るためには、治験の実施に直接関与するSMOと、治験依頼者として治験を依頼し管理するCROに、それぞれの独立性が確保されている必要があります。そのため、CROを母体とするSMOであっても、会社としてはそれぞれ独立して運営されています。
では、日本を代表する5社のSMOを下記に簡単にご紹介します。
別の記事でも詳しく説明していますので、さらに知りたい方はそちらもご覧ください。