
治験とは

治験とは薬の候補物質を人に投与して、安全性や効果を確認する試験のことです。
詳しくはこちら治験とは?
治験コーディネーター(CRC)の仕事内容

- 1.
- 治験に参加していただける人を探す。
- 2.
- 治験の詳細を説明する。
- 3.
- 治験の決まりを守らせる。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の仕事の詳細
治験コーディネーター(CRC)が関わる人たち

治験コーディネーター(CRC)が最も関わる人たちは治験分担医師と被験者です。製薬会社のCRA(臨床開発モニター)やSMA(治験事務局担当者)、看護師とも多く関わります。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の各関係者との調整
治験コーディネーター(CRC)が担当する施設の形態

治験コーディネーター(CRC)が担当する施設の形態は病院が約7割、クリニックが約3割になります。
CRCが担当する施設の種類
治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間

治験コーディネーター(CRC)の一日
- 9:00
~
12:00 - 被験者の対応
- 被験者の診察・検査に同行する。
- 13:00
~
15:00 - 被験者を探す
- カルテを見て治験へ参加できる方を探す。
- 治験の説明を行い、参加の同意を取得する。
- 15:30
~
17:30 - 書類の作成
- 症例報告書・日報を作成する。
治験コーディネーター(CRC)の一週間
曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 午前 | 会社の事務所 | 病院B | 病院B | 病院B | クリニックA |
午後 | クリニックA | 会社の事務所で会議 | 会社の事務所 |
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治験コーディネーター(CRC)になるには

看護師や臨床検査技師になった後、35歳ぐらいまでにSMOへ転職する方法が最も多く見られます。
SMOとは?
治験コーディネーター(CRC)の業務を専門に行っている会社です。代表的な会社としてEP綜合やシミックヘルスケア・インスティテュートなどがあります。
CRCの資格の種類
※日本SMO協会データ2021、JCOG CRC実態調査2018より出典
※SMOのCRC2574人と院内CRC398人の資格の調査データを合算
CRCになった年齢
※120名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:N=120)。
CRCの学歴
※120名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:N=120)。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)になるには
治験コーディネーター(CRC)の年収

治験コーディネーター(CRC)の平均年収は約474.2万円(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:268人)となっています。
CRCの年収
※CRCは268名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:N=268)。
※看護師・臨床検査技師・薬剤師・栄養士は2018年の賃金構造基本統計調査のデータを独自に加工して作成。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の給料と年収
治験コーディネーター(CRC)の良い点・悪い点

CRCの良い点
- 看護師
-
- 夜勤がない
- 土日祝に休める
- 臨床検査技師
-
- 給料があがる
- コミュニケーション力を生かせる
- 薬剤師
-
- 薬の開発に携われる
- 栄養士
-
- 給料があがる
- 休みが増える
CRCの悪い点
- 看護師
-
- 給料が下がる
- 看護スキルが衰える
- 臨床検査技師
-
- 検査スキルが衰える
- コミュニケーション力を求められる
- 薬剤師
-
- 給料が下がる
- 調剤スキルが衰える
- 栄養士
-
- 栄養指導スキルが衰える
- 詳しくはこちら
治験コーディネーター(CRC)のキャリア

まずは一般職から始まり、5~10年後にはチームをまとめるリーダーになられる方が多いです。その他に、事務業務全般を取り仕切るSMA(治験事務局担当者)へ異動したり、製薬会社・CROへ転職して、CRA(臨床開発モニター)になられる方もいらっしゃいます。
CRCのキャリアマトリックス
※円の大きさは人数の多さを表す
- CRCのキャリアパスについて知りたい方はこちら
- CRAのキャリアについて知りたい方はこちら
治験コーディネーター(CRC)の将来性

治験の契約症例数と治験コーディネーター(CRC)の人数(いずれもSMO協会員のみ)は2013年前後から一貫して減少していますが、がん領域の経験が豊富な治験コーディネーター(CRC)は以前よりも引く手あまたの状態となっています。
SMOの契約症例数とプロトコール数の推移
※日本SMO協会データ2021より出典
SMOの売上高と従業員数
※SMOは日本SMO協会の会員のみ。
※日本SMO協会データ2021より出典
薬物の治験計画届出件数の推移
※PMDAより出典
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- みんなの回答はこちら
治験コーディネーター(CRC)のよくある質問

- Q
- 残業はどれぐらいありますか?
- A
- 月に10~20時間です。
- Q
- 土日や祝日はお休みですか?
- A
- 基本的にはお休みですが、月に1~2回の出勤が求められる場合が多いです。出勤した分は代休を取得できます。
- Q
- 仕事と家庭は両立できますか?
- A
- できます。実際に約半数の治験コーディネーター(CRC)が仕事と家庭を両立させながら働いています。
- Q
- 転職する時に年齢制限はありますか?
- A
- CRC未経験者は35歳前後、CRC経験者は50歳前後までが、選考に通過しやすいです。
- Q
- CRC未経験者の合格率はどれぐらいですか?
- A
- 10%前後です。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)のよくある質問
治験コーディネーター(CRC)のよくある質問とみんなの回答
- Q
- 治験コーディネーターになって大変なことや苦労したことを教えてください。
- A
-
人間関係的な面でいうと、医療機関の医師や受付含む病院スタッフとの関係を築くことが大変だったように思います。治験になれている施設だと、医師や病院スタッフも動き方がわかっているためスムーズにいきますが、慣れていない施設だとそうはいきません。
特に病院スタッフからしてみれば、受付は治験用レセプトの作成等で業務が増えるし、看護師や臨床検査技師にとっては通常診療では必要のない毎回の採血や採尿、血圧測定、心電図といったような煩わしい仕事が増えます。
確かに病院関係者から見てみれば、わけわからないうちに外部の人間が来て、煩雑な仕事が増えたように感じてしまいますよね。そこを、私たちCRCは日頃から良好な関係を築くようにコミュニケーションをとり、その試験の意義や、なぜこのような検査が必要になってくるのかをわかりやすく相手の立場に立って説明することが求められます。
また、狭いクリニック等ですと、私たちが患者についてまわってうろうろするだけで、邪魔!と思われて邪険に扱われることも少なくありません。そういうときに、ここに立っていたら邪魔だ、とか今近づいてほしくないのだな、というように非常に空気を読む力が必要だと思います。
こうした人間関係もまた施設が変われば一から築いていかなければなりません。ここが一番大変でした。あの病院ではこれでうまくいっていたのに…は通じないのです。臨機応変に医療機関、人によって対応を変えていかなければなりません。
また、事務的な面、そのほかでいいますと、数字に追われることが多く、精神的に苦労しました。CRCになる方は「新薬を待つ患者さんのために」という思いで入ってこられる方が多いと思いますが、治験の世界は想像以上に事務的です。「ひとりの患者さん」というよりも「一症例」にすぎない、といっても過言ではないかもしれません。ですから、契約症例「数」を集める、「売上目標」といったようなやりとりに心が痛むときもあります。
あとは、私は事務作業が好きだったため苦ではなかったのですが、PC等に慣れていないとそういった細かい作業にも苦労するかもしれません。
また、初めは薬学について、薬事法について、GCPについて、カルテの判読のしかたなど、覚えることもたくさんあるため、大変かもしれません。
- Q
- 治験コーディネーターになって辛いことはなんですか?
- A
-
医療従事者と比べて、治験コーディネーターは利益を重視しなくてはいけない仕事だと思います。そのため、患者さんの利益よりも病院・会社の利益を優先する必要が出てきます。
例えば、複数の治験の参加基準を満たした患者さんであれば、その患者さんの病態に合った治験薬よりも、契約費用が高い治験薬を優先することがあります。また、併用禁止薬の関係から、その患者さんに最適な治療薬を使うことができないこともあります。
既存の薬では有効な治療ができず、治験薬が最後の望み、といった患者さんのための治験はわずかです。むしろ現行の治療で安定している患者さんに、リスクを承知の上で治験参加を提案することの方が多いです。
会社からは期間内での契約症例数の満了を求められますので、患者さんの治療のための治験ではなく、契約達成・ノルマ達成が目的となっていきます。
このように多くのケースで、目の前の患者さまにとってはメリットばかりではないことが私は辛く感じます。特に看護師さんなど、元医療従事者の方は同じように感じやすいようです。
- Q
- なぜCRCよりもCRAのほうが給料が高いのでしょうか。
- A
-
CRAが所属するCROは外資系の会社が存在しますがSMOはありません。製薬業界に限らず、外資系の会社は利益が出ないとすぐクビになるので給料が高いのです。
その証拠に外資系を除いて給与を比較すれば、CRAもCRCもほとんど給料が同じはずですよ。一度、EPSとかCMICのCRCとCRAの給与を比較してみてください。
- Q
- 治験コーディネーターに向いている性格とは?
- A
-
皆さんの回答にあるように真面目で柔軟性があることはとても重要な性質だと思います。
治験はGCPの元、プロトコールに沿って試験を進めていかなければいけませんから真面目であることに加え、責任感も必要です。
それに、医療の現場から多くの意見⁉︎も出てきますが、GCPやプロトコールを守りながら実施するためには、様々なアイディアを出して、お互いの落としどころを模索していかなければいけません。そのためには臨床経験が多いに越したことはないですが、物事を俯瞰的に見る力、相手の立場になって物事を考える力も必要です。
何よりも、CRCは自分のスケジュールはあって無きがこどし。医師、医療機関のスタッフさん、被験者、依頼者などなど、多くの関係者の都合で、一瞬で予定が変わることが日常茶飯事。
ストレスフルな職業だと思います。
だからこそ、趣味など、ストレスを上手く発散できる人が長く続けていける人だと思います。
自分で言うのもなんですが、お人好しが多いと思います。
- Q
- 会社規定で在職中の転職活動を禁止されていますが、次の転職先を決めてから退職するべき?
- A
-
まず大前提としてご理解いただきたいことは「在職中は同業他社への転職活動を禁じる」という会社規定は、憲法上の職業選択(退職を含む)の自由を制限していますから、法的な効力はありません。仮に裁判になっても会社側が負けます。
ただしこのような会社規定を意図的に設けているような会社ですから、社員の転職を防止するための対策を考えている可能性があります。そのため転職活動をするにあたっては、活動する側が十分に気をつけるべきポイントがあります。
その最大のポイントは、決して会社から貸与されているものを使用して転職活動をしないことです。パソコンや携帯電話はもちろん、コピー機やボールペン1本に至るまで、転職活動とは切り離してください。
また、就業時間中の電話やメールも要注意です。個人の電話を使用していたとしても就業時間中に私的な目的で電話やメールをしていたとなれば、不用意な妨害を受ける可能性もあります。
以上の点に気をつけた上で、転職サポート会社なども利用して転職にチャレンジしましょう。
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