治験コーディネーター(CRC)の仕事は、医師や看護師など多くの医療従事者の協力がないと業務が進みません。いくらあなたが優秀な経歴の持ち主でもマナーがない失礼な態度をとれば、一緒に働きたいと思ってもらえません。
こちらの記事では、面接前に確認すべき「基本マナー」を7つに分けて解説しています。面接を受ける前に、こちらでもう一度ご自身のマナーをチェックしてみましょう。
面接の基本マナー
面接の合否の7割は「第一印象」で決まる。
面接官は合否の7割を応募者の第一印象で決めると言われています。これは応募者がドアを開けてから名前を名乗り、席につくまでの約30秒間で面接の採否が決定することを意味します。
面接官はその30秒の間に応募者の身だしなみ、立ち居振る舞い、挨拶などのマナーから、その人物のレベルを過去の応募者と比較して推測しているのです。
では、面接官に「一緒に働きたい」という良い印象を与えるために、応募者にはどのような基本マナーが必要なのかを理解をしておきましょう。
服装
- 女性の場合はダーク系のスーツに白、もしくは淡い色の、シャツやブラウスを着用します。リクルートスーツである必要はありません。パンツスーツも可です。シャツは襟付きがベストですが、襟なしでも問題ありません。派手な柄ものは避けましょう。夏でもジャケットは着用していくほうが無難です。
- 靴は黒のローヒールが無難です。スーツの色に合ったベージュやグレーなどでも問題ありません。ハイヒールやピンヒール、ブーツは不可です。
- ストッキングはナチュラル系のものを選びましょう。
- バッグは黒色のものがベストです。ブランドが一目で分かるものや、全体に柄が入ったものは派手な印象になるので避けましょう。大きさはA4サイズの書類が入るものが主流です。
- 男性の場合はダーク系のスーツに白、もしくは淡い色や薄い柄の、シャツを着用します。夏でもジャケットは着用していくほうが無難です。
- ネクタイは派手すぎないもので、色は積極的な印象を与える赤系や、爽やかな青系がお勧めです。柄はストライプ、ドット、無地などから選びます。
- 靴の種類は紐付きのシンプルなものが無難です。色は黒が良いですが、濃い茶(ブラウン)でも問題ありません。ピカピカに磨いておくと好感度がアップします。靴下は黒、グレー、紺の地味なものが良いでしょう。
- カバンはA4の書類が入るもので、色は黒、もしくはダーク系を選びます。
- 冬場はコートを脱いで会社にはります。コートを着たままでいるとマナー違反になります。
髪型、メイク
- 女性の髪の色は黒、もしくはダークブランまでで、明るい茶色はNGです。面接の当日にスプレーなどで落ち着いた髪色にする人もいらっしゃるようです。前髪が長い場合はヘアピンで留め、後ろ髪が長い場合は一つにまとめます。 お辞儀をした時に顔に髪の毛がかかり、手で直すようなことがないようにしましょう。
- メイクはナチュラル系にします。濃いアイラインやリップグロスなどの過度のメイクは避けましょう。すっぴんで面接に行くこともNGです。ネイルもナチュラル系以外は避けたほうが無難です。
- 男性の髪型は耳が出るぐらいの短髪で、色は黒が好まれます。
持ち物
- 履歴書と職務経歴書の控え(面接前に「志望動機」や「自己PR」などを確認できます。気持ちを落ち着かせるためにも余裕があれば持って行きましょう。)
- 応募先のホームページの「会社概要」や「事業内容」などをプリントアウトしたもの
- 地図、交通経路を調べたもの
- 筆記用具(鉛筆やシャープペン、消しゴム、ボールペン)
- 手帳、スケジュール帳、メモ帳
- 印鑑
- ハンカチ、ティッシュ
- 女性の場合は鏡、ブラシ、ストッキングの替え
- タクシーなどを使うことも考え多めの現金
時間
- 遅刻はもちろんいけませんが、早すぎるのもNGです。
- 5~10分前に会社に入るのがベストです。予定よりも10分以上前に入室することは避けましょう。
- 電車が遅れたり、道順を間違えたりする可能性に備えて、面接開始時間の30分以上前には面接会場に到着するようにしましょう。面接場所を確認した後、近くの喫茶店で時間を過ごしてから、面接開始の5分前には面接会場に入ります。
- 遅刻する場合は、面接開始時間よりも前に会社に電話して、面接に遅刻することを伝えます。その際には「謝罪」「遅れた理由」「何時頃に到着する予定か」を合わせて伝えます。
面接会場に到着した時間
※内定者20名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2017年4月~2024年12月、有効回答数:N=20)。
入室の挨拶 ※動画は就活カツコ〜面接入退室編〜より引用
- 1.
- 受付に「本日、○時から面接の予約をしている○○と申します。人事部の○○様はいらっしゃいますでしょうか?」と伝えます。事前にどなた宛てで訪問すべきかを調べておくとスムーズです。
- 2.
- ノックは2回、ノックの後「どうぞ、お入り下さい」と言われるのを待ってから入室します。ドアを少し開け、面接官の目を見て「失礼します」と大きな声で挨拶します。
- 3.
- ドアは静かに後ろを向いて閉めます。振り返らずに、後ろ手で閉めるのはマナー違反です。
- 4.
- ドアを閉めた後、面接官の方に向き直り「○○と申します。よろしくお願いいたします。」と笑顔で元気よく挨拶してから一礼します。
- 5.
- 椅子の横まで移動します。
- 6.
- 面接官に「どうぞ、お掛け下さい。」と勧められてから、軽く会釈をしてから座ります。椅子はしっかり引いて、背筋をまっすぐに座りましょう。椅子に深く腰をかけすぎないように注意します。(椅子に半分ほど腰をかける程度が良い)
- 7.
- 男性は手を軽く握り、ひざの上に置きます。女性は両手を重ね、ひざの中央に置きます。バッグは椅子の上ではなく、足元に置きます。
- 8.
- 筆記用具など必要なものは、面接が始まる前にバッグから出して机の上に置いておきます。
- 9.
- 面接官が後から入室してきた場合、座ったまま挨拶をするのではなく、必ず立って挨拶をします。
退室の挨拶
- 1.
- 面接官が「これで面接を終わります。」と言った後に座ったまま「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました」とお礼を述べ、軽く会釈をします。
- 2.
- 立ち上がって椅子を元に戻し、ドアのほうへ移動します。ドアの前で面接官の方に向き直り「ありがとうございました。」と一礼(45度)します。
- 3.
- ドアは入室と同様に静かに閉めます。
- 4.
- ビルを出るまでが面接です。エレベーターで応募先の関係者と顔を合わす可能性もありますので、最後まで気を抜かないようにしましょう。
お礼メール
- 面接の後には、余裕があればお礼のメールを出しておくのも良いでしょう。面接の結果が変わる可能性は低いですが、出しておいてマイナスになることはないので、積極的に出しましょう。
- お礼メールの文章は短くまとめます。長い文章は避けましょう。
お礼メールの一例
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○○株式会社
△△部 □□様
○○と申します。
本日は貴重なお時間を割いてご面談いただき、誠にありがとうございました。
面接当日は大変緊張しておりましたが、短い時間の中で、ありのままの自分をお伝えすることが出来たと思っております。
是非とも良いご連絡が頂けますよう祈っております。
末筆ながら、面接のお礼を申し上げますとともに、貴社のご発展と社員皆様のご多幸をお祈りいたします。
まずは面接のお礼のみにて失礼いたします。
○○
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よくある質問とみんなの回答
- Q
- CRCへ転職を考えていますが、ビジネスマナーに不安があります。
- A
-
SMOの面接で、看護師や臨床検査技師などの医療従事者に求められるのは「ビジネスマナー」と言うより、「相手を不快にさせない心遣い」になります。
なぜなら、看護師や臨床検査技師などの医療従事者は、仕事上で求められることが少ないビジネスマナーを習得できていない人が多いため、ビジネスマナーが身についていなくても、治験コーディネーター(CRC)へ転職後にビジネスマナーを習得できる素養、つまり「相手を不快にさせない心遣いができる人」と面接官に思ってもらえさえすれば、治験コーディネーター(CRC)の選考に通過できることが多いからです。
形ではなく心が大切です。
MRのように尊敬語や謙譲語の使い分け、名刺交換やメールの仕方(医師へのアポイント依頼など)、法人との電話応対などのビジネスマナーを習得している必要はありません。
「この応募者は敬語が苦手で、身だしなみも完璧ではないけれども、相手を不快にさせない心遣いができる人だ」と面接官に思ってもらえれば十分です。
ビジネスマナーに不安をお持ちの方は、面接官を不快にさせない心遣いを強く意識されて、面接を受けられると良いと思います。
■■■ビジネスマナーを身につけるためには?■■■
秘書検定を勉強されてみてはいかがでしょうか。ビジネス系検定のなかでは知名度や人気が高く、就職を控えた学生にも面接対策としてとても人気があります。3級のテキストに簡単に目を通すだけでも、マナーの向上に役立つと思います。
以下は秘書検定のホームページからの引用です。質問者様が求めている内容ではありませんでしょうか?
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秘書検定とは
秘書検定は「人柄育成」を目指しています。
「人柄」のよい人とは,相手に「感じがよい」という印象を与えられる人のことです。それはどのようなところで感じてもらえるのでしょうか。「表情」「態度」「振る舞い」「言葉遣い」「話し方」などの人柄の要素で,良い印象を与えているのです。
どのようにすれば良い印象を与えられるのでしょうか。秘書検定ではこの「感じのよさ」の表し方について,筆記試験問題と面接試験を通して提唱しているのです。
秘書検定は,社会に出て働く人なら誰でも備えておかなければならない基本的な常識を,秘書技能という名称に集約して検定問題として出題しています。基本的な常識ですから誰にでもできることですが,感じがよいと言ってもらえる表し方はどのようにすることが必要か,この部分について試験問題を通して学べるようになっています。
「筆記試験」で学んだことを「面接試験」で表現する。特に就職を控えた学生さんは,これに取り組んでいれば就職面接は落ち着いて受験できること間違いなしです。ぜひ受験なさることをお勧めします。
https://jitsumu-kentei.jp/HS/about/contents
(「秘書検定とは」より引用)