治験コーディネーター(CRC)経験者が転職する理由は、「働きやすさを重視したい」「年収をアップしたい」「プライベートの都合」などさまざまです。
この記事では、治験コーディネーター(CRC)の経験を持つ方が転職活動する際に注意すべき点を、SMOと病院(院内CRC)の2つに分けて詳しく解説します。
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治験コーディネーター(CRC)経験者が転職する理由は、「働きやすさを重視したい」「年収をアップしたい」「プライベートの都合」などさまざまです。
この記事では、治験コーディネーター(CRC)の経験を持つ方が転職活動する際に注意すべき点を、SMOと病院(院内CRC)の2つに分けて詳しく解説します。
治験コーディネーター(CRC)経験者が「SMOからSMOへ転職する理由」は主に以下の3つになります。
治験コーディネーター(CRC)経験者の転職理由ベスト3 | |
1位 | 働きやすさを重視したい |
2位 | 年収をアップしたい |
3位 | プライベートの都合 |
では、それぞれの具体例と注意点について以下に詳しく解説します。
治験コーディネーター(CRC)経験者の転職理由で最も多いのが「働きやすさを重視したい」です。院内CRCへ転職できれば働きやすくなる可能性があることは知られていますが、院内CRCへの転職は狭き門であることも事実です。
そのため、現実的な選択肢として院内CRCではなくSMOへ転職することによって働き方を変える治験コーディネーター(CRC)が多くいらっしゃいます。
働き方をどのように変えたいかは人によって様々ですが、主に以下の4つに当てはまります。
通勤時間を短くしたい 残業を減らしたい 休日出勤を減らしたい 人間関係をリセットしたい
通勤時間を短くしたい
SMOに所属していると様々な病院・クリニックを担当します。自宅から近くの施設を担当できれば良いのですが、場合によっては自宅から2時間近くもかかる施設を担当せざるを得ない場合も発生します。
その状態が数ヶ月以上続くと、通勤で体力を消耗してしまい、次第に疲弊していきます。さすがに我慢ができなくなり、上司に相談することになりますが、上司から人員不足などを理由に「今後も改善される見込みがない」と告げられた場合、退職へとつながります。
そのような場合、別のSMOへ転職することによって通勤時間を短くできることが多いです。ただし、わがままは禁物です。過度の通勤時間の長さは解消されることが多いですが、自宅から近くの施設を担当できる可能性はそれほど高くないため、あくまでも過度な通勤時間の長さを減らす場合に限り、転職すべきであると言えます。
残業を減らしたい
人員不足などを理由に過度な残業が長期に渡って続くことがあります。速やかに人員が補充され残業時間が減れば良いのですが、さらに人員が減少し、残業時間がますます増えてしまう場合もあるようです。
数ヶ月の間であれば、なんとか頑張れる治験コーディネーター(CRC)が多いのですが、残業が多い期間が半年以上続くと、体力的に疲弊したり、体調を崩したり、家庭が崩壊したりして、退職へとつながってしまうことがほとんどです。
この問題は転職によって解決が容易なのですが、実際は問題が深刻化することが多いです。なぜなら、仕事が忙しすぎて転職活動を行う時間を確保すること難しいうえに、人員が不足しているため業務過多になっていることが多く、すんなりと退職させてもらえないことからです。
最悪の場合は、二度と治験コーディネーター(CRC)の仕事をやりたくないというトラウマになってしまう場合があります。
残業時間はSMOによって大きな差がありますので、残業時間を減らしてプライベートを優先したい治験コーディネーター(CRC)はそのようなSMOへ転職することによって、長期的に安定して働き続けることができます。
休日出勤を減らしたい
担当する施設によっては毎週土曜日、もしくは土日の出勤の頻度が高い場合があります。数ヶ月間であれば代休も取得できるため気にならない方が多いのですが、3ヶ月以上続くとお子様がいらっしゃったり、ご主人や彼氏の仕事のお休みが土日だったりすると、プライベートに影響を及ぼすようになってきます。そのため、少しずつ仕事を続けることが難しくなってきます。
もし、施設の変更が可能な場合は、上司等にお願いして担当する施設を変更してもらうことによって解決しますが、施設の変更が難しい場合は、他のSMOへ転職することによって就業環境を好転させられる場合が多いです。
ただし、治験コーディネーター(CRC)の仕事の性質上、月に1回程度の土日出勤は仕方がないですので、完全に土日祝を休みたいという要望は控えたほうが好ましいです。
人間関係をリセットしたい
上司や同僚からパワハラやセクハラ等を受けており、人間関係が悪化して仕事に支障が出ている場合があります。人間関係悪化の主な原因が本人にある場合は、転職しても同じ状況になる可能性が高いため、まずはその原因を改善するように取り組む必要があります。
相性の部分で上手くいかなか場合、本人の努力で事態を好転させることが難しいため、まずは上司等に部署移動をお願いしましょう。それでも状況が改善されない場合、他のSMOへ転職することによって人間関係をリセットできます。
良好な人間関係が築けるかどうかは、残念ながら実際に転職してみないと分かりませんが、会社の社風は異なるため、転職の際に参考にできます。SMOによって社風は異なり、まったりしている会社もあればギスギスしている会社もあります。
口コミを見たり、コンサルタントに相談したりして、出来る限り自分の希望に叶う社風のSMOを探すと転職に失敗する可能性を減らせます。転職すると人間関係はリセットされますが、転職後の人間関係が良好になるかどうかは運に左右される部分も多いため、転職後は謙虚な姿勢で協調性高く仕事に取り組みましょう。
転職して年収をアップしたいというお問い合わせも多いです。しかしながら、現在の治験コーディネーター(CRC)の転職市場では、転職によって年収をアップさせることはかなり難しくなっており、転職によって年収をアップさせるより、ダウンさせる方のほうが多くなっているのが実情です。
CRC経験者の転職前後での年収比較
※100名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年11月、有効回答数:N=100)。
では、なぜ転職によって年収がダウンしてしまうのでしょうか。答えは「SMO市場の右肩上がりが終わったため」と言えます。2007年ごろまでは各SMOとも業績が右肩上がりでした。そのため、治験コーディネーター(CRC)経験者の数が不足し、高い給与を払っても働いてもらったほうが会社の利益になったからです。
しかし、新薬開発の主流が、症例数の多い生活習慣病などプライマリー領域から、症例数の少ない癌などのオンコロジー領域へと変わってきたことで、SMO業界は2013年前後を境に縮小へと転じています。
そのため、治験コーディネーター(CRC)経験者の数の不足感が少なくなり、治験コーディネーター(CRC)経験者に高い給与を払っていては赤字になってしまうようになったからです。
SMOの売上高と従業員数
※SMOは日本SMO協会の会員のみ。
※日本SMO協会データ2023より出典
その結果、以前のように治験コーディネーター(CRC)経験者に対して給与のプレミアムの金額を上乗せすることがほぼなくなったため、転職することによって転職先の社内システムや組織の理解がない分、スキルが劣ると判断され年収がダウンすることになります。
特に2007年以前のSMO市場が右肩上がりの時から働いている治験コーディネーター(CRC)は、給与にプレミアムが上乗せされている可能性が高く、転職することによって年収が下がる可能性が高いと言えます。
大手SMOから中小SMOへの転職 中小SMOから大手SMOへの転職
大手SMOから中小SMOへ転職した場合
中小SMOは大手SMOと異なり、きちんとした給与制度がない場合が多いです。そのため、治験コーディネーター(CRC)経験者に対して、プレミアムをつけた年収を提示しやすいと言えます。
とはいえ、中小SMOで業績が良いところはごく僅かです。そのため、一般的には給与が下がる可能性が高いと言えます。また、中小SMOは会社の安定性も低くなるため、「年収が高かったのは初年度だけ」という転職者の声を聞くことあり、注意が必要です。
中小SMOから大手SMOへ転職した場合
中小SMOの給与が低かった場合は年収が上がる可能性があります。しかしながら、中小SMOで2007年以前より働いている治験コーディネーター(CRC)の多くは年収が大きく下がる可能性があります。
大手SMOの多くは年収が下がっても安定性が高くなるため年収を高くする必要はないと考えており、給与制度も厳格に設定されているため、年収の融通が利かないことが多いです。その結果、大きく年収が下がってしまう場合が多いと言えます。
上記以外の主な理由として引っ越しや出産、介護、病気などがあります。治験コーディネーター(CRC)の多くは女性であるため、やむを得ないと言えます。