臨床心理士が治験コーディネーター(CRC)に転職する際の注意点を詳しく解説します。
臨床心理士から治験コーディネーター(CRC)に転職することは、看護師や臨床検査技師と比べて難易度が高い場合が多いです。また、転職する方も少ないため、どのように準備すればよいか分からない方も多いでしょう。
この記事では、採用担当者にアピールすべき6つのポイントを詳しく解説します。具体的には、精神科以外の領域への関心、短時間で被験者と意思疎通できるコミュニケーション力、臨床心理士のキャリアへの未練の有無などです。臨床心理士の方は、この記事を参考にして、治験コーディネーター(CRC)への転職活動を成功させましょう。
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採用担当者にアピールするべき6つのポイントとは?
臨床心理士が採用担当者にアピールするべき6つのポイント
治験コーディネーター(CRC)の選考では、臨床心理士が不適切な発言をしたために、不採用となる場合が多く見られます。その理由は、臨床心理士が思い描く理想の治験コーディネーター(CRC)像と、採用担当者が求める理想の治験コーディネーター(CRC)像にギャップがあるためです。
以下では、治験コーディネーター(CRC)の理想像が、臨床心理士と採用担当者の間でどのように異なるかを詳しく説明します。
採用担当者が求める治験コーディネーター(CRC)像を理解した上で応募することで、不採用につながる不適切な発言を避けることができ、採用される可能性を高めることができるでしょう。
精神以外の領域にも興味がある 短い時間で被験者と意思疎通ができる 看護師や臨床検査技師よりも覚える意欲が高い 臨床心理士のキャリアに未練はない 将来はリーダーになりたい 看護師に負けないストレス耐性がある
精神科以外の領域にも興味があることを伝える
NG
- 精神科の治験にだけ携わりたい。
OK
- 精神科以外の治験にも興味がある。
治験全体における精神科の治験の割合は約1割で、残りの9割は精神科以外の領域が占めています。そのため、精神科を専門とする医療機関やSMOに勤務しない限り、臨床心理士出身の治験コーディネーター(CRC)が主に携わるのは精神科以外の領域です。
したがって、臨床心理士が選考時に治験コーディネーター(CRC)として携わりたい領域を聞かれた場合、精神科だけではなく、他の領域にも興味を持っていることを伝える必要があります。もし「精神科の治験にだけ携わりたい」と述べると、採用担当者は「CRCとして携わる治験の範囲は、精神科以外の方が多いことを理解していない」「精神科以外の治験を任せると、辞めてしまうかもしれない」と懸念に思う可能性があります。
臨床心理士の専門性は心の健康であるため、精神科以外の領域は不慣れな方が多いです。そのため、がんや生活習慣病といった精神科以外の治験についても事前に調べておき、選考の際には簡単に説明できるよう準備することが大切です。
精神科領域の治験の割合
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短い時間で被験者と意思疎通ができることを伝える
NG
- 長い時間をかけて被験者と意思疎通できる。
OK
- 短い時間で被験者と意思疎通できる。
治験コーディネーター(CRC)の業務は、病院のカウンセリングとは異なり、60分以上の時間をかけて被験者とコミュニケーションを取ることは少ないです。そのため、治験コーディネーター(CRC)として働く際は、臨床心理士のときよりも短い時間で被験者との信頼関係を構築することが求められます。
面接時に、「傾聴やカウンセリングスキルを活かして、長い時間をかけて被験者と意思疎通できる」と述べると、採用担当者から「治験コーディネーター(CRC)は、臨床心理士のように長い時間をかけて患者様とコミュニケーションをとることは少ない」と指摘され、採用に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、臨床心理士は「傾聴やカウンセリングスキルを活用することはもちろん、短い時間での意思疎通も得意です」などと伝えることが必要です。
また、傾聴やカウンセリングスキルは患者様だけでなく、医師や治験の関係者などとコミュニケーションを取るときにも活かせることを忘れないようにしましょう。
患者様と接している時間(電話を含む)
※主要SMOのヒアリングより。
看護師や臨床検査技師よりも覚える意欲が高いことを伝える
NG
- 覚える意欲はある。
OK
- 看護師や臨床検査技師よりも覚える意欲が高い。
臨床心理士が治験コーディネーター(CRC)に転職する際、GCPなどの治験関連の知識だけでなく、精神科以外の領域の疾患・薬・検査値などについても新たに学ぶ必要があります。
すでに精神科以外の領域についての知識がある看護師や臨床検査技師と比べて、臨床心理士が新たに覚える必要がある知識はさらに多いです。そのため、選考では新しい知識を習得する意欲が、看護師や臨床検査技師よりも強いかどうかを確認されることがあります。
臨床心理士が新しい知識の習得意欲について採用担当者から質問された際に、「努力します」とだけ答えるのではなく、「看護師や臨床検査技師と比べて覚えるべきことが多いことを理解しており、看護師や臨床検査技師以上に努力する覚悟がある」と伝えると、高い評価を得やすくなります。
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臨床心理士のキャリアに未練はないことを伝える
NG
- 臨床心理士のキャリアに未練がある。
OK
- 臨床心理士のキャリアに未練はない。
臨床心理士になるためには、看護師や臨床検査技師になるよりも強い意志が必要な場合が多いです。なぜなら、臨床心理士になるためには大学院を修了するなどの過程が厳しい割に就職先は多くなく、平均年収も低いのが現状だからです。そのような背景から、臨床心理士は「業務に人一倍のこだわりがある」と採用担当者に認識されることが多いです。
治験コーディネーター(CRC)は、基本的に臨床心理士の業務には関わりません。そのため、治験コーディネーター(CRC)の選考では、採用担当者から「臨床心理士の業務に未練はないか」「臨床心理士のキャリアに固執していないか」と繰り返し確認されることがあります。
もし、臨床心理士の業務やキャリアへのこだわりが強い場合、採用担当者は「治験コーディネーター(CRC)に転職した後で、臨床心理士に戻る可能性がある」と判断して不採用になりやすくなります。そのため、選考では臨床心理士の業務に未練はないことを明確に伝える必要があります。
資格を取得するために必要な年数
臨床心理士 | 看護師 | 臨床検査技師 |
6年 | 3~4年 | 3~4年 |
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将来的にリーダーになりたいことを伝える
NG
- 将来はリーダーになりたくない。
OK
- 将来はリーダーになりたい。
臨床心理士が治験コーディネーター(CRC)に転職する理由として、「年収を増やしたい」「雇用を安定させたい」などを挙げる方が多いです。しかし、これらの理由は、採用担当者に対して消極的な印象を与えかねないため、選考で積極的に述べることは控えた方がよいでしょう。
「年収を増やしたい」「雇用を安定させたい」という理由は、「将来的にリーダーとして活躍したい」「数年後にはマネジメントの経験を積めるチャンスがあると考えた」「5~10年後には新人の指導や育成に関与したい」「中長期的に大きな貢献ができると思った」などの前向きな理由に言い換えることで、採用担当者に対して積極的な印象を与えることができます。
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看護師に負けないストレス耐性があることを伝える
NG
- ストレス耐性は平均的。
OK
- 看護師に負けないストレス耐性がある。
採用担当者の中には、「臨床心理士はストレス耐性が低い人が多い」という先入観を持つ方がいます。その理由は、多く心の問題に直面した経験から臨床心理士を目指したと考えているからです。このような先入観を払拭するためには、臨床心理士を目指した理由は自らの心の問題だったと説明することは避けましょう。
また、採用担当者の中には、「看護師は病棟でストレス耐性を鍛えられる機会が多いが、臨床心理士はそのような機会は少ない」という認識を持つ方もいます。もし、自身のストレス耐性に自信がない場合は、看護師に負けないストレス耐性があると思ってもらえるエピソードを用意してから面接を受けるとよいでしょう。
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よくある質問とみんなの回答
- Q
- 臨床心理士は治験コーディネーターになれますか?
- A
-
私が勤めていたSMOのCRCは、臨床検査技師が最も多く、だいたい9割程度、残り1割で最も多いのが看護師でした。少し珍しい資格保有者としては、薬剤師、管理栄養士の方がいらっしゃいました。ですので、臨床心理士の資格でCRCへとなることは可能だと思います。
また、CRCは治験に参加していただく患者さんはもちろんのこと、治験に協力していただいている医療機関スタッフやドクター、またCROのモニターなど、関係各所とうまくやっていくコミュニケーション能力が非常に重要で求められます。
そういった面で臨床心理士の資格はおおいに活かせるのではないでしょうか。
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- 転職を考える際、最も重要な条件の一つは給与です。
治験コーディネーター(CRC)への転職を考えている方々にとって、自身のキャリアや経験がどの程度評価されるのか、気になることでしょう。
こちらでは、あなたのプロフィールに基づき、治験コーディネーター(CRC)へ転職した場合の年収を予測します。
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- 「臨床経験が少ない」「転職回数が多い」といった理由で、選考に通過できるか不安になり、応募をためらう方も多いと思います。
こちらでは、あなたのプロフィールに基づき、治験コーディネーター(CRC)に応募した場合の書類選考の通過率や面接の合格率を予測します。
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