
治験を実施していく上で、必要な略語や用語の説明を掲載しています。
治験業界の専門用語は使用している人にとってはごく当たり前の言葉ですが、業界や専門外の人にとっては未知の言葉です。治験に関する主だった専門用語を集めてみましたので活用ください。
これを覚えればあなたも治験博士になれるかもしれませんよ。
治験用語集

面接でよく聞かれる用語

面接で聞かれる可能性が高い順に★印をつけています。5つ星(★★★★★)と4つ星(★★★★)は面接で聞かれる可能性が高い重要語ですので、最低限これだけは覚えておきましょう。
面接で最もよく聞かれる 5つ星(★★★★★)
面接でよく聞かれる 4つ星(★★★★)
面接でよく聞かれる 3つ星(★★★)
面接でたまに聞かれる 3つ星(★★★)
あ行

- アローワンス(アロワンス)
- プロトコールで規定されている来院基本日からの猶予期間のこと。来院日が1日しかないと被験者の都合が急に悪くなったときにデータが取得できなくなるため、プロトコール内で1週間前後の猶予期間が設けられることが多い。
- アルコア5原則(ALCOA5原則/FDA)+CCEA(EMA)
- 治験データの信頼性を確保するための考え方で以下の単語の頭文字をとったもの。
1)Attributable(帰属性):帰属/責任の所在が明確である。
2) Legible(判読性):判読/理解できる。
3) Contemporaneous(同時性):同時である。
4) Original(原本性):原本である。
5) Accurate(正確性):正確である。
6) Complete(完全性):完結している。
7) Consistent(一貫性):矛盾がない。
8) Enduring(耐久性、普遍性):永続的である。
9) Available when needed(要時利用可能):必要時に取り出せる。
- 安全性情報
- 当該治験に関する有害事象、副作用の情報のこと。臨床試験では通常、臨床検査、バイタルサイン、臨床的有害事象(疾患、兆候、症状)、その他の検査(心電図など)によって評価される、被験者の医療上のリスクに関するもののことを言う。
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- 安全性情報担当者(PV)
- 当該治験に関する有害事象、副作用の情報を集めて評価する職種。副作用の知識や英語で書かれた文章を読む力が求められる。
- 医師主導型治験(医師主導治験)
- 医師自らが企業から未承認薬の提供を受けて行う治験のこと。
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- 逸脱
- 「選択除外基準を満たしていない」「検査をするのを忘れる」など治験実施計画書などの規制を守らないこと。治験実施計画書に規定(記載)されていることと異なったり、決められた範囲を超えた場合、「治験実施計画書逸脱」「プロトコール逸脱」と言う。逸脱が起こってしまった場合は逸脱報告書を作成したうえで、再発防止のための措置を講じる必要がある。
- 違反
- 治験実施計画書などの規制を守らないこと。治験実施計画書などに規定(記載)されていることを遵守しない場合、「治験実施計画書違反」「プロトコル違反」と言う。実際は逸脱とほぼ同じ意味で使われている場合が多い。
- 医薬品の臨床試験の実施基準(GCP:Good Clinical Practice)
- 日米EUの三極で調和された、治験の質を確保するための治験の実施に関する基準のこと。新GCPは平成10年から実施されている。
- 医療機関の長の指示、決定
- 治験審査委員会で承認された内容を医療機関の長が指示、決定した場合はその内容に従わなければならない。
- インフォームド・コンセント(IC:Informed Consent)
- 治験を希望する患者が、治験担当医師又はCRC(治験コーディネーター)から、治験の内容(目的・方法・メリット・リスク等)が記載された同意説明文書の詳しい説明を受け、十分に理解し納得した上で自由意思によって参加に同意(文書同意)すること。
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- インフォームド・アセント(Informed Assent)
- 法的規制を受けない、小児被験者からの同意のこと。インフォームド・コンセントは、各国の法律や規則の規制を受けるため義務として実施しているが、それに対してインフォームド・アセントは、法規制上の義務が無いにも関わらず、自発的に医師及び治験スタッフが患者に対して治療に関する説明及び同意取得を行うことを言う。 例えば、小児集団への臨床試験においては小児被験者から同意取得を行うことは、法律・規則で義務付けされていないが、被験者の両親及び法的保護者には十分なインフォームド・コンセントが義務付けされている。しかし、もし適切と考えられる場合(治験への参加を理解できる知的レベルにある被験者など)、小児被験者からも臨床試験に参加するためのアセントを取得すべきであると考えられている。
- ウォッシュアウト(休薬期間:Wash-out period)
- 治験を開始する際に、それまで投与していた薬(前治療薬)の影響を排除するために設ける休薬期間のこと。治験へ参加することによって患者の病状が悪化する原因にもなる。
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- エマージェンシーキー
- 治験期間中に被験者に何らかのトラブルが発生し、治療上やむを得ず割り付けられた情報を開封する際に用意された被験者と治験薬の割付記録のこと。試験終了までキーコードを保管し、盲検性を維持する。
- エンドポイント(Endpoint)
- 治療行為の意義を評価する為の評価項目のこと。薬物動態パラメーター、薬力学的評価指標、有効性及び安全性に関連する医薬品の効果を評価するために選択された反応変数である。 エンドポイントは治験の目的に合ったもので、できるだけ客観的な方法で評価できる項目が望ましいとされている。
- オーファンドラッグ(Orphan drug)
- 希少疾病用医薬品のこと。患者数が本邦において5万人未満の疾病に対する医薬品で、医療上の必要性が高いにもかかわらず患者数が少ないことから十分に開発が進められていないという問題を解決するために、厚生労働省は他の医療品より優先して承認審査を行うなどの配慮をしている。
- オープン試験(Open Clinical Traial)
- 盲検法による臨床試験に対比して、対照を置かない非対照臨床試験を一般にオープン試験と呼ぶ。一般臨床試験とも呼ばれる。いろいろな影響が考えられるために厳密な薬効評価法としては取り扱われないが、盲検法が困難なケース等の場合に用いられる。
- オンコロジー(Open Clinical Traial)
- がんなどの腫瘍を対象とする領域のこと。現在の治験の主戦場で、オンコロジー(がん)領域の治験を担当するためには他の領域より専門性の高い知識・経験・調整能力が必要と言われている。
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か行

- 開発業務支援機関(CRO:Contract Research Organization)
- 治験依頼者(製薬メーカー等)に代わり開発業務を行う会社のこと。主な業務はCRAによるモニタリング業務、DMによるデータマネジメント、統計解析などを行う。
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- カルテシール
- 症例報告書に記載すべき情報を漏れなくカルテに記載できるよう、必須項目が記入されたシール状のシートのこと。治験担当医師に診察時又は診療後に記入してもらう。
- 監査
- 治験が治験実施計画書、標準業務手順書、薬機法(旧薬事法)に規定する基準並びに本基準に従って実施され、データが記録、解析され、正確に報告されているか否かを確定するため、治験依頼者によって指名された監査担当者が治験に関わる業務及び文書を体系的かつ独立に検証すること。
- 観察研究
- 患者さんを観察した結果を分析する研究方法。
- キーオープン
- エマージェンシーキーを開封する作業のこと。
- 規制当局
- 厚生省及び厚生大臣が薬機法(旧薬事法)に基づき調査を委託したもの。
- 組み入れ
- 被験者の適格性チェックを行い、治験に参加させること。
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- グローバル試験(グローバルスタディ)
- 国際共同治験とも言う。米・欧・アジア共同で行う治験のこと。
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- クロスオーバー比較試験
- 治験における試験デザインの一つで、交差試験または交互試験とも呼ばれる。同一被験者に異なった薬剤を時期をずらして服用させ、それぞれの結果を集計し評価して、薬剤の優劣をみる方法。比較的症状の安定している慢性の疾患で、傾向変動が見られず、薬剤の効果が速やかに発現し、かつ治療中止後は患者が基準値の状態にすぐに戻り、薬剤の治療効果が可逆的な場合に適した試験方法。
- クリアランス
- 血液中から腎臓などによって物質が除かれる速度のこと。単位時間に除去された物質量を含む動脈血、または血漿の量で表す。
- 血中濃度
- 投与した薬物の血液中の濃度のこと。一般的に薬物の作用(効果)の強さは、血中濃度に比例する。また、ある時点での薬物の血中濃度が半分になるまでの時間を「血中濃度半減期」(T1/2)といい、薬物作用の持続性の指標となる。
- ゲノム
- ある生物がもつ全ての遺伝情報のこと。
- ゲノム創薬
- 人をはじめ、すべての生物の遺伝情報(ゲノム情報)に基づいて、医薬品を開発すること。
- 原資料
- カルテやX線(レントゲン)フィルムなど、患者の治療経過を判断するのにもととなる文書(データ)のこと。症例報告書(CRF)を作成する際やSDV(原資料との照合・検証)を行うときなどに使用する。
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- 公正な立会人
- 治験の実施から独立し、治験に関与する者から不当に影響を受けない者で、被験者が同意文書及びその他の説明文章を読むことができない場合に、インフォームド・コンセントの過程に立ち会う者のこと。
- 厚生労働省
- 厚生労働省は、医薬品・医療機器等の最終的な行政措置を実施する。厚生労働省所管のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が実務上の審査などを行う。
- コールセンター
- 治験の案内や受付を担当する専門のセクションのこと。民間の会社に委託する場合と、治験を行う医療機関やSMOに開設される場合がある。
- コンプライアンス(Compliance)
- 医師から処方された薬剤を患者が指示通りに服用すること。「服薬遵守」ともいう。一方、治験に関わる者が治験を実施する際に法律及び適用される規制要件を遵守することを指してコンプライアンスと呼ぶこともある。この二つが紛らわしいため、服薬遵守を意味するコンプライアンスを、服薬コンプライアンスと表現したりする。
さ行

- 再審査
- 新医療用医薬品について承認後一定期間、使用の成績等に関する調査(市販後調査)を行わせ、その結果から医薬品の有効性、安全性を再確認する制度。 承認後、新薬・効能効果追加は8年、オーファンドラッグは10年を経過した日から3ヶ月以内にその新薬の安全性、有効性について厚生労働省の再審査を受けることが義務付けられている。再審査期間が終了すると特許が切れる。
- 再評価
- 再審査終了後、5年ごとに品質、有効性、安全性に関して見直しをすること。厚生労働大臣より再評価が必要であると指定された医薬品について、臨床試験などを実施して再評価報告書を作成し、提出しなければならない。
- CRCと臨床試験のあり方を考える会議 (略称:CRCあり方会議)
- 「臨床試験のあり方」を臨床研究コーディネーター(CRC)と一緒に考える会議。2001年4月に第1回会議が別府で開催され参加者は約800名ほど。現在では参加者が3000~4000人規模の会議に発展している。
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- ジェネリック
- ゾロとも呼ばれる。既に販売されている医薬品の特許切れを待って開発された医薬品なので、既に販売されている医薬品と全く同じ作用を持つ。
- 重篤な有害事象(SAE:Serious Adverse Event)
- 有害事象又は副作用のうち、①死亡に至るもの②生命を脅かすもの③治療のための入院もしくは入院・加療機関の延長が必要なもの④永続的もしくは重大な障害・機能不全に陥るもの⑤先天異常を来すもの⑥その他の重大な医学的事象を言う。
治験責任医師は重篤な有害事象を知り得てから原則として24時間以内に治験依頼者と実施医療機関の長へ重篤な有害事象に関する報告書(SAE報/速報)を提出する必要がある。
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- 主要評価項目(プライマリーエンドポイント)
- 臨床的及び生物学的に意味のある効果を反映する項目であり、薬理学的にも裏付けられた客観的評価が可能な項目で、試験の主要な目的に基づいて選択される。
- 使用成績調査
- 製造販売後調査の1つで、治験依頼者が医薬品を使用する患者の条件を定めることなく、副作用による疾病等の種類別の発現状況並びに品質、有効性及び安全性に関する情報、その他の適正使用情報の把握のために行う調査のこと。
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- 上市
- 承認された新薬の市場販売が開始されること。英語のlaunch(ローンチ)と同義語。実際に販売が開始された医薬品のことを「上市品」という。
- 症例登録
- 治験責任/分担医師が、候補となる被験者の適格性判断に必要な情報を電話やFAX、及びWEBを利用して登録センターに連絡し、登録センターが適格性を確認して当該臨床試験の被験者として登録する業務のこと。
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- 症例報告書(CRF:Case Report Form)
- 各被験者に関して、治験依頼者に報告することがプロトコールにおいて規定されている全ての情報を記録するための、印刷されたまたは光学的もしくは電子的な記録様式およびこれらに記録されたもの。
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- 新GCP
- 平成10年4月、治験のより一層の適正な実施と日米欧の国際的三極調和を図るため、その内容を見直すとともに、薬機法(旧薬事法)に基づく省令による基準として治験依頼者、治験実施医療機関等に遵守を義務づけた新たなGCP基準のこと。従来のGCPと比較して、被験者への口頭ではなく文書による説明と同意の取得、より適正な治験の実施のための治験審査委員会の機能強化、治験事務局の設置、治験依頼者のモニタリング及び監査の受け入れ等が義務付けられたことが特徴。新GCP導入により治験実施施設の業務負担増加や、被験者からの同意取得困難などの原因により治験の停滞あるいは空洞化という現象に陥ったが現在は回復している。
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- 関連する用語
- 真のエンドポイント
- 臨床試験における治療行為に対して本来求めたい評価項目(死亡率、疾患の発症率、QOLの変化、副作用の発現)。
- スクリーニング
- 的確審査、ふるいわけのこと。健康な人も含めた集団から目的とする疾患に関する発症者や発症が予想される人を選別する医学的手法のこと。
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- スタートアップ・ミーティング
- IRB承認後、責任医師・分担医師及び院内関連部署、CRC、CRAなどの依頼者が治験実施にあたって業務を検討する会議のこと。
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- 製造販売後調査
- 市販後(新薬発売後)に医薬品製造業者が行う調査で、日常診療下での医薬品の有効性、安全性の確認とともに、市販前(治験)では得られなかった医薬品の適正使用についての情報の収集、提供を目的として行われる。製造販売後調査の実施はGPSP(医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施基準)によって医薬品製造業者に対して義務づけられている。
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- 製造販売後直後調査
- 製造販売後調査の一つで、治験依頼者が販売を開始した6ヶ月間、診療において適正な使用を促し法律で定められた事例等の発生の迅速な把握のために行う。
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- 製造販売後臨床試験(第四相試験)
- 実際に発売されてからも有効性・安全性について調査を行い、標準的な治療法を検討する試験のこと。
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- 漸増試験
- 日本では任意漸増法がよく用いられる。目的とする疾患の段階に到達するまで、投与量を少しずつ増やしていく方法のこと。
た行

- 第一相試験(フェーズ1)
- 少数の健常人(男性の場合が多い)に対して開発中の薬剤を投与し、主に安全性を検証する試験。
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- 第二相試験(フェーズ2)
- 第Ⅰ相試験(フェーズ1)をクリアした薬剤を少数の患者に投与し、安全性や有効性、容量等を検証する試験。
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- 第三相試験(フェーズ3)
- 第Ⅱ相試験(フェーズ2)をクリアした薬剤を多数の患者に投与し、安全性・有効性を確認する試験。
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- 第四相試験(フェーズ4)
- 厚生労働省によって医薬品として承認・市販された後に、引き続き安全性や有効性の確認する試験。
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- 副次的評価項目(セカンダリーエンドポイント)
- 医薬品のその他の効果を評価するための項目のこと。主要評価項目に関連していることもあれば関連していないこともある。
- 対照薬
- 治験において比較の対照として用いられる市販薬、もしくは未承認有効成分を含む製剤(すなわち実対照薬)又は、プラセボのこと。
- 代用エンドポイント
- 医薬品のその他の効果を評価するための項目であり、主要評価項目に関連していることもあれば、関連していないこともある。
- 多施設共同IRB
- 小規模医療機関が治験参加推進を図る目的で、単独医療機関ではなく複数の医療機関によるIRB開設/構成されることを指す。医療機関から治験業務を委託契約しているSMOがまとめて開催されるケースや、地域によっては医師会、もしくは地域基幹病院が開設している事例がある。
- 多施設共同治験
- 単一の治験実施計画書に従い複数の医療機関、すなわち複数の治験責任医師によって実施される治験のこと。
- 脱落(Drop-out)
- 臨床試験(治験を含む)に組み込まれた症例で、参加同意の撤回、被験者の都合(非来院等)により、計画通りに臨床試験が続行できなくなったもの。治験実施計画書の治療期間以前に、何らかの理由で臨床試験の継続ができないことを言う。被験者自身に続行不可の理由がある場合であり、副作用や完治などの明確な医学的理由による「中止」とは区別して「脱落」と呼んでいる。
- ダブルダミー法(Double-Dummy)
- 治験薬と対照薬の両方にプラセボを組み合わせて行う方法のこと。例えば、AとBという2種類の薬剤を比較する場合、Aについて実際の製剤と共にそれと区別不可能なプラセボAを用意し、またBについても実際の製剤と共にそれと区別不可能なプラセボBを用意する。
- 単盲検試験(SBT:Single Blind Test)
- 被験者にのみ、薬の内容を知らせないで行う試験のこと。
- 治験(新薬として承認を得るために行う臨床試験)
- 新しい薬を開発し医薬品として販売するためには、事前に承認・認可してもらうことが義務づけられている。承認される前の段階で、健康な人や患者に対し薬の安全性や有効性を確認することを「臨床試験」といい、その中でも厚生労働省から新薬として承認してもらうために行う臨床試験のことを「治験」と言う。
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- 治験依頼者(メーカー、製薬会社)
- 治験の発案、運営・管理及び資金等に責任を負う個人、会社、機関または団体。
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- 治験施設支援機関(SMO:Site Management Organization)
- 治験を行っている治験実施施設(病院・クリニック等)をサポートする会社。主な業務は治験業務の支援やIRBの設立運営、CRCの教育や派遣など。
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- 治験チーム
- 治験責任医師、治験分担医師、治験協力者からなる治験業務に携わるメンバーの総称。治験業務は通常業務と比較して各メンバー間の連絡連携が必要なため、「チーム」体制を取ることにより円滑な治験実施が推進されるためこのような名称で呼ばれているケースがある。正式な名称ではなく治験従事者間で呼ばれる俗称。
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- 治験実施計画書からの逸脱等
- 治験実施計画書から逸脱又は変更してはいけない。万が一、逸脱又は変更した場合はその行為を全て記録し治験依頼者、医療機関の長、治験審査委員会へ提出し承認を得なければならない。ただし被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなどの医療上やむを得ないものである場合はこの限りではない。
- 治験実施計画書(プロトコール)
- 治験の目的・デザイン・方法・統計学的な考察および組織について記述した実施計画書。治験実施者(治験を実施する病院・クリニック等)及び治験依頼者(製薬メーカー等)が遵守しなければならないその治験に関する要件事項が全て網羅されている。
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- 治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)
- 医学・歯学・薬学の専門家及びそれ以外の者によって構成される医療機関の長・治験責任医師・治験依頼者から独立した委員会のこと。当委員会の責務は治験実施計画書や被験者から文書によりインフォームドコンセントを得るのに使用される方法・資料等を審査すること。また継続審査を行うことによって、被験者の人権・安全・福祉の保護を確保する。
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- 治験審査委員会との関係
- 当該医療機関における治験の実施について、治験審査委員会に意見を求めるものとする。
- 治験協力者
- 治験チームのメンバーで治験責任医師又は治験分担医師の指導のもと、専門的立場から治験に係る業務に協力する治験コーディネーター、薬剤師、看護師その他の医療関係者などを指す。
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- 治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)
- 治験実施施設(病院・クリニック等)で担当医師の指示のもと治験(臨床試験)をスピーディーかつ円滑に行うためにコーディネートする職種のこと。治験に参加する被験者に治験の説明を行い治験参加の同意を取得するインフォームドコンセントが重要な業務の一つとなる。治験コーディネーターとしての専門資格はないが、看護師・薬剤師・臨床検査技師などの資格者を求められることが多い。
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- 治験事務局
- 治験実施施設(病院・クリニック等)で行われる治験に関わる事務的な作業全般を行う部門のこと。治験依頼者(製薬メーカー等)との契約、治験開始前に必要書類を作成したり、治験実施中には各種書類やデータの管理等を主に行う。
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- 治験事務局担当者(SMA)
- CRCやCRA、治験担当医が治験をスムーズに行えるように、治験に必要な書類の作成や管理、各種委員会などの治験に関わる事務的な作業全般を担当する職種。SMOの場合は製薬会社や医療機関に対する営業的な役割を兼ねることもある。
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- 治験実施施設
- 治験業務が実際に行われる場所のこと。
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- 治験調整委員会
- 他施設共同治験の実施を調整するために、治験依頼者が設置することのできる治験調整医師からなる委員会のこと。
- 治験調整医師
- 他施設共同治験の実施において治験依頼者が選定することのできる、参加各医療機関の治験責任医師を調整する責任を担う医師又は歯科医師のこと。
- 治験責任医師(PI)
- 治験実施施設(病院・クリニック等)において治験の実施に関して責任を有し、治験に係る業務を統括するする医師のこと。治験実施施設において、治験が複数の者から成るチームにより実施される場合には、治験責任医師は当該チームの責任者でありリーダーの役目をする医師となる。治験実施計画書(プロトコール)や同意説明文書の作成を含め治験を実施し、治験分担医師や治験協力者を任命する。
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- 治験分担医師(SI)
- 医療機関において治験を実施するチームに参加する個々の医師、又は歯科医で、治験責任医師によって指導・監督され治験に関わる重要な業務及び決定を行う者のこと。
- 治験の総括報告書
- 治験の終了後、治験の目的や方法及び成績等をまとめた治験に関する報告書のこと。
- 治験の中間報告書
- 治験の進行中に行われる解析に基づく中間的な治験成績とその評価に関する報告書のこと。
- 治験の継続、中止・中断および終了等
- 治験の継続審査の決定や治験依頼者から治験の中止または中断、もしくは被験薬の開発中止を決定し通知してきた場合は、治験依頼者、治験責任医師、治験審査委員会など定められたセクションに報告説明しなくてはならない。
- 治験の中止または中断
- なんらかの理由で中止または中断された場合には被験者にその旨通知し、適切な治療およぶ事後処理を保証しなければならない。
- 治験薬
- 治験において治験薬もしくは対照薬として用いられる有効成分を含む製剤(承認の有無を問わない)又はプラセボのこと。
- 治験薬管理者(IP ADMIN)
- 治験薬の性質および治験実施計画書を理解し、治験薬の保管、管理を担当する薬剤師又は医師若しくは歯科医師のこと。原則として薬剤師の方が担当する。医療機関において医療機関の長によって指名される。治験薬管理者は被験者一人ひとりの治験薬の使用状況を正確に記録し、治験薬の受領から返却・回収までを管理し、治験依頼者から要請があった場合にはモニタリングに応じる。
- 治験薬概要書
- 治験の実施に必要な、治験薬に関する非臨床試験及び臨床試験の成績を編集したもの。
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- 中止
- 結末あるいは、副作用、併発症などの医学的な事象を見たため、治験の対象者から除くこと。
- 長期投与試験
- 第二相試験から第三相試験にかけて、長期に渡って実施される臨床試験のこと。第二相二重盲検試験が終了した患者を対象に、長期投与した場合の有効性や安全性、副作用の種類や体内蓄積性の確認を目的として行われる。なお、長期試験ではプラセボの設定はない。
- 直接閲覧(SDV:Source Data Verification)
- 治験で提供されたデータが正しいことをチェックするために、モニターや治験審査委員会の委員、厚生労働省の担当者が病院に保存されているカルテなどの治験関連記録類(原資料)を閲覧すること。
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- データマネジメント(DM:Data Management)
- 治験実施施設(病院・クリニック等)で行われた治験によって確認された結果(症例報告書(CRF)のデータ)の統計解析を行うための準備をすること、もしくはその職種。データに問題があれば、臨床開発モニター(CRA)に再調査させ症例データを管理する。デスクワークがほとんどである。
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- 同意説明文書
- インフォームド・コンセントの過程で用いられる治験の目的、内容等を記した文書一式のこと。(同意文書に主たる説明が記述されています。)
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- 統計解析
- 生物統計学の手法を用いて治験結果を分析し、治験薬が効果があるのか、既存の市販薬よりも効果があるのかを、統計学的に証明(説明)すること、もしくはその職種。データマネジメントによって電子化され、きれいに整合化された症例データに対して、統計解析の手法を駆使して解析する。
- 特定療養費
- 健康保険法等の改正により、それまで診療の中に保険に適応されないものが含まれると原則として、その診療全体が保険給付対象外とされていた。新しい医療技術の出現や、患者のニーズの多様化等に対応し高度先進医療や特別サービス等について保険給付との調整を図るために創設されたものである。
- 特別調査
- 製造販売後調査の1つで、治験依頼者がある特定条件の患者群(小児、高齢者、妊産婦、医薬品を長期に使用する患者など「治験」では対象にできなかった患者)を対象して行う調査のこと。特定患者群における医薬品の有効性・安全性に関する情報、その他の適正使用情報の検出や確認を行うために実施される。
- 独立データモニタリング委員会
- 治験の進行、安全性データおよび重要な有効性エンドポイントを適当な間隔で評価し、治験依頼者に治験の継続、変更、または中止を提言することを目的として、治験依頼者が設置することができる治験依頼者、治験責任医師および治験調整医師から独立した委員会のこと。
- ドラッグラグ
- 世界的には標準的に使われているにも関わらず、日本ではまだ国(厚生労働省)から医薬品としての承認を得られていない状況のこと。
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な行

- 二重盲検比較試験(DBT:Double Blind Test)
- プラセボ反応を排除するために患者や医師・CRCにも、どの薬物を用いているかを知らせないで行う試験のこと。患者の反応性によって生じた偏り、並びに被験者選択・補助療法・観測評価などによって生じる医師側の偏りを排除することができる。
は行

- バリデーション
- 医薬品の製造や品質管理において、必要な手順や工程が適切であることを「文書化」すること。
- ピカ新・ゾロ新
- ピカ新:いわゆる「画期的新薬」のこと。新医薬品の中でも、特に新規性・有用性の高い医薬品で、従来の治療体系を大幅に変えるような画期的な新医薬品、これまでなかったタイプの独創的新医薬品の俗称。
ゾロ新:既存の医薬品の有効成分の化学構造を少し変えただけの「改良型新医薬品」をいう。 さらにそれを少し変化させた薬を"クズ新"と呼ぶ。クズ新は、時間と手間をかけて作るほどではないため、こう呼ばれる。
- 被験者
- 治験に参加して頂く方のことを言う。治験の内容にかかわらず、治験の説明を受け治験に参加することに同意をされた時点で被験者となる。患者=参加者=ボランティアなどの言い方をする場合もある。
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- 被験者識別コード
- 個々の被験者の身元に関する秘密を保護するため、治験責任医師が各被験者に割り付けた固有の識別符号で、治験責任医師が有害事象及びその他の治験関連データを報告する際に、被験者の氏名、身元が特定できる番号及び住所などの代わりに用いるもの。
- 被験者の福祉
- 治験に参加する被験者の肉体的及び精神的な健全性のこと。
- 必須文書
- 治験の実施状況及び、得られたデータの質をまとめて評価することを可能にする文書などの記録のこと。
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- 秘密の保全
- 治験依頼者に帰属する情報又は被験者の身元に関する情報を、正式に認められた者以外には開示しないこと。
- 標準業務手順書(SOP:Standard Operating Procedures)
- 治験業務を誰が実施しても適切に遂行できるように基本的な業務手順をまとめたマニュアルのこと。
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- 非臨床試験
- 医薬品の有効性や安全性を確認する為、人を対象にした臨床試験以外の動物などを用いた試験。
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- 品質管理(QC:Quality Control)
- 治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な活動がQAになるが、その中で治験の質を検証する為に行われる品質管理活動がQCになる。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるため、GCPを熟知していないと対応できない。
- 品質保証(QA:Quality Assurance)
- 治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な全活動を指す。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるので、GCPを熟知していないと対応できない。※QC活動はQAに含まれています。
- 副作用(ADR:Adverse Drug Reaction)
- 投与量にかかわらず、投与された治験薬に対するあらゆる有害で意図しない反応のこと。治験薬との有害事象との因果関係について、少なくとも合理的な可能性があり、因果関係を否定できない反応を指す。
- 負担軽減費
- 治験に参加すると被験者は交通費がかかったり勤めを休んだりする必要があることから、被験者の経済的負担を減らすために被験者に対して支払われるお金のこと。
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- 不適合
- 臨床研究法上の特定臨床研究において、規則・研究計画書・手順書等の不遵守(プロトコル逸脱、プロトコル違反)及び研究データの改ざん、ねつ造等のこと。また、臨床研究の対象者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものを重大な不適合と言う。不適合は定期報告とともに報告する必要があり、重大な不適合は速やかに臨床研究審査委員会及び実施医療機関の管理者に報告する必要があり、不適合に対する再発防止を行わなければならない。
- プラセボ(Placebo)
- 患者を満足させる心理的効果を期待して与えられる活性を有しない物質のこと。これが有効に働いたとき起こる良い反応を「プラセボ反応」、悪い反応を「ノセボ反応」という。治験へ参加することによって患者の病状が悪化する原因にもなる。
- プラセボ効果(プラセボ反応)
- プラセボを飲むことによる有効性のこと。プラセボには有効成分が含まれていないにもかかわらず、「薬を飲んだ」という意識から治療効果がでること。
- ブリッジング試験(Bridging Study)
- 外国の臨床データを日本の住民集団に当てはめるために日本で実施される臨床試験で、日本における有効性、安全性及び用法・用量に関する臨床データ及び薬力学的データを得ることを目的として行われる。外国人と日本人の基本的データ(第一相・第二相試験)がほぼ同じ場合は、外国で行われた臨床試験のデータを日本人にも当てはめることができる(第三相試験が省略できる)。しかし、その為には、その治験薬に関して日本人の治験データと他民族の治験データを比較してそれほど違いが見られないこと、つまり民族差がそれほどないことを、試験を実施しデータとして示すことが要求される。その試験のことをブリッジング試験という。日本で行われたブリッジング試験の第一号は「バイアグラ」である。
- プレヒアリング
- 治験実施可否のIRB開催前に依頼者が、責任医師やCRCなどの関連部署に治験実施要綱について説明をし、治験実施にあたっての問題点や対策を洗い出すための打ち合わせのこと。
- プロトコール(治験実施計画書)
- 治験の目的・デザイン・方法・統計学的な考察および組織について記述した実施計画書のこと。治験実施者(治験を実施する病院・クリニック等)及び治験依頼者(製薬メーカー等)が遵守しなければならないその治験に関する要件事項が全て網羅されている。
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- ブロックバスター
- ブロックバスターとは、ピーク時の売り上げが5億ドル以上の医薬品のこと。有名なところではED治療薬のバイアグラ。ブロックバスターは毎年10~15品目誕生している。
- 分散型臨床試験(DCT、Decentralized Clinical Trial)
- 医療機関で行われていた臨床試験を自宅などに分散化させることで、患者が定期的に来院しなくても臨床試験に参加できる仕組みのこと。バーチャル臨床試験(VCT、Virtual Clinical Trial)、遠隔治験などとも呼ばれている。分散型臨床試験(DCT)は新たなデジタル技術の活用によって進められる。具体的には、被験者の募集・抽出対象を施設単位ではなく全国の患者とする、オンラインで説明、電子署名による同意取得、患者宅へ治験薬を直接配送、SNSや専用ツールによる確認、などがある。分散型臨床試験(DCT)を導入するためには、「同意説明は対面で行う」「治験薬をメーカーから直接配送できない」などの規制の壁の存在が今後の課題となっている。
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- 並行群間比較試験
- 治験を投与する群とその対象となる群を設け、同時に並行して決められた期間投与する方法のこと。二重盲検試験によって行われる場合が多く、最もポピュラーな試験である。
- ヘルシンキ宣言
- ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則。世界医師会が1964年に宣言として採択した。内容は周到な計画、自由意思による同意、患者の利益やプライバシーの保護など、臨床研究やヒトの組織を用いる研究で医師が守るべき倫理規定を定めたものとなっている。その後、インフォームド・コンセントを軸とする医療や生命科学に関する倫理的な学問が確立されてから、世界医師会はインフォームド・コンセントの詳細な指針を盛り込み、「ヘルシンキ宣言1975年東京修正」を採択した。1981年に「患者の権利に関するリスボン宣言」が採択され、1983年にはベニスで「未成年者からもインフォームド・コンセントを得ることが必要である」が追加された。1989年に香港で一部修正され、現在「ヘルシンキ宣言2013年ブラジル修正」が最新版となっている。
- 保険外併用療養費
- 保険診療と保険外診療の混在した診療に保険給付を認める制度のこと。治験を含め高度先進医療などで適用され、基礎的な診療部分に対する保険給付が行われる。 「治験薬投与期間の全ての検査・画像診断、治験薬と同等の効能・効果を有する医薬品の費用」は、治験依頼者の負担となり、「全ての期間の基本診察料、処置、手術、麻酔」及び「治験薬投与期間外の検査・画像診断、医薬品の費用」は保険給付となる。
ま行

- マスキング
- 隠すこと。依頼者に提出する書類や依頼者が閲覧する資料等で、被験者の個人を特定する情報(氏名、カルテ番号等)を隠す行為のこと。
- 無作為化
- バイアスを軽減するために、被験者を無作為に処置群または対照群に割り付ける方法のこと。
- 無作為割付
- 各々の患者に対して、どのような薬物を割り付けるかを無作為(ランダム)に決定する方法のこと。無作為割付という方法をとる事により、患者を意図的に特定の治療法に割り付けるといった偏り(バイアス)を無くす。
- メディカルライター(MW)
- 治験薬概要書の作成や申請概要書の作成、治験総括報告書/臨床論文等の作成等の業務を担当する者を言う。治験総括報告書/臨床論文は英文・和文があるため、英語力も求められる職種のこと。
- モニタリング
- 治験依頼者から任命されたモニター(通常治験依頼者の開発担当者もしくは治験依頼者と治験委受託契約をしているCRO)が治験の進行状況を確認し、治験が治験実施計画書、標準業務手順書、その他関連する薬機法(旧薬事法)に規定する基準ならびにGCPに従って適正に実施、記録および報告されていることを訪問や電話等で行なう情報収集業務全般を指す。
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- モニタリング報告書
- 治験依頼者により指名されたモニターが、治験依頼者のSOPにしたがって、医療機関及び治験に関わるその他の施設を訪問したごとに治験依頼者に提出する報告書のこと。
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や行

- 薬機法(旧薬事法)
- 日本における医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器についての規制や行政の運用について定めた法律のこと。医薬品等の品質・有効性・安全性の確保のために必要な規制を行う。
- 薬物動態試験
- 医薬品がどのように生体内で処理されるのかを明らかにする試験のこと。投与された薬物が血中濃度が最高値になってからの半分の値になるまでの時間を血中濃度半減期といい、薬物の効果が持続する時間の目安とされてる。服薬後の決められた時間に採血をして血中濃度を測定することで、薬物をどのくらいの量で、また、どのくらいの時間間隔で投与したら薬物の効果が持続的にみられ、副作用が最小限であるかを決定するためのデータを得る試験のこと。
- 薬物動態採血(PK採血)
- 薬物動態試験のために実施する採血。同じ患者様から1~2日で一定の時間を空けて7~8回の採血を行うことも珍しくない。
- 薬物濃度試験
- 人や実験動物の血中薬物濃度や尿中薬物濃度を測定して、医薬品の吸収を追跡する試験のこと。生体試料中薬物濃度測定試験とも言われる。
- 有害事象(AE:Adverse Event)
- 治験薬を投与された被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごと。必ずしも当該治験薬の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない。すなわち、有害事象とは治験薬が投与された際に起こる、あらゆる好ましくないあるいは意図しない兆候(臨床検査値の異常を含む)、症状または病気のことで当該治験薬との因果関係の有無は問わない。
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- 要因試験(Factorial Study Design)
- 2つ以上の治療法を組み合わせて行う試験デザインのこと。併用して治療を行うことにより、双方の医薬品が同じ反応変数に作用することを期待する場合、あるいは一方の医薬品が他方の医薬品の副作用を軽減することを期待する場合には、要因試験が役に立つ。要因試験の各々の組み合わせ試験によって、それぞれの成分の組み合わせの有効性を示すことができるばかりでなく、その医薬品を単剤で用いた場合、及び併用した場合の用量に関する情報も得ることができる。
- 用量設定試験(用量反応試験)
- 第二相臨床試験(探索的臨床試験)で行われる臨床試験の1つ。パイロット試験の結果に基づき、適切な用量・用法を設定するために行われる。この試験では、承認申請の効能・効果が期待される適応疾患患者を対象として、主に二重盲検法を用いて、低量・中量・高量の2~3種類の用量の被験薬で、時にはプラセボを対照薬に含め、比較試験を行う。この結果から、被験薬の用法・用量・至適用量幅が設定され、第三相試験(検証的臨床試験)で検証されることになる。なお、この試験では、パイロット試験と同様に治験薬を反復して投与する試験法(反復投与法)が用いられる。
- 予測できない副作用(未知の副作用)
- 副作用のうち、治験薬に関する適用可能な情報と、その性質又は重症度が一致しないもの。
- 臨床開発モニター(CRA:Clinical Research Associate)
- 医薬品開発において、治験依頼者(製薬メーカー等)により任命されモニタリングを行う職種のこと。全国にある治験を実施している治験実施施設(病院・クリニック等)を訪問し、治験が当初の予定通りに進行しているのチェック・監査(モニタリング)を行う。臨床開発モニターとしての専門資格はないが、看護師・薬剤師・臨床検査技師・MRなどの資格者を求められることが多くなっている。時にはカルテを読んだりすることもあるため、医学的な知識や経験が必要とされ出張が多い。
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- リアルワールドデータ(RWD:Real World Data)
- 臨床現場から得られる匿名化された患者単位のデータのこと。具体的には、レセプト(診療報酬明細書)などがあり、医薬品などの効果や安全性を把握することに役立てるため国が法整備を進めている。なお、こうしたリアルワールドデータから導き出されたエビデンスをリアルワールドエビデンス(RWE:Real World Evidence)と呼ぶ。
- リモートSDV
- 治験依頼者である企業が、治験に参加した患者さんの詳細な臨床データと医療機関の原資料(カルテ等)をインターネット経由で照合(SDV/Source Data Verification)・モニタリングを行う仕組みの総称。
- 臨床試験コーディネーター
- 臨床試験のコーディネートを専門に行う職種。治験コーディネーター(CRC)や臨床研究コーディネーターを含めて臨床試験コーディネーターと呼ぶこともある。
- 臨床研究
- 人を対象として行われる医学研究全般のこと。臨床研究法においては「医薬品等を人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究(治験を除く)」と定義されている。
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- 臨床研究法
- 平成30年4月1日から施行。ディオバン事案(ノバルティス社の高血圧症治療薬ディオバンに係る臨床試験におけるデー タ操作)などの不正を防ぐなどの目的のため、薬事法(現薬機法)の対象にならない未承認・適応外の医薬品等の臨床研究や、製薬企業等から資金提供を受けた医薬品等の臨床研究を特定臨床研究として基準遵守義務を定めた法律。製薬企業からの資金提供の公表義務や、臨床研究の主な業務手順が定められている。
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- 臨床研究コーディネーター
- 治験ではなく臨床研究もしくは特定臨床研究を専門に行うコーディネーター。治験コーディネーターを含めて臨床研究コーディネーターと呼ぶこともある。
- ワークシート
- 症例報告書を作成するためにカルテとは別に使用されるシート。プロトコルで求められている全ての項目をカルテに記載することは難しい場合が多いため、治験依頼者が独自に作成したワークシートを併用することが一般的となっている。原資料の担保としての役割もある。カルテとワークシートのデータ間に不整合が生じないように設計する。
略語(A~Z)

- ADR(副作用:Adverse Drug Reaction)
- 投与量にかかわらず、投与された治験薬に対するあらゆる有害で意図しない反応のこと。治験薬との有害事象との因果関係について、少なくとも合理的な可能性があり、因果関係を否定できない反応を指す。
- AE(有害事象:Adverse Event)
- 治験薬を投与された被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごと。必ずしも当該治験薬の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない。すなわち、有害事象とは、治験薬が投与された際に起こる、あらゆる好ましくないあるいは意図しない兆候(臨床検査値の異常を含む)、症状または病気のことで当該治験薬との因果関係の有無は問わない。
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- ALCOA(アルコア)5原則(FDA)+CCEA(EMA)
- 治験データの信頼性を確保するための考え方で以下の単語の頭文字をとったもの。
1)Attributable(帰属性):帰属/責任の所在が明確である。
2) Legible(判読性):判読/理解できる。
3) Contemporaneous(同時性):同時である。
4) Original(原本性):原本である。
5) Accurate(正確性):正確である。
6) Complete(完全性):完結している。
7) Consistent(一貫性):矛盾がない。
8) Enduring(耐久性、普遍性):永続的である。
9) Available when needed(要時利用可能):必要時に取り出せる。
- ARO(アカデミック臨床研究機関:Academic Research Organization)
- 研究機関や医療機関等を有する大学等がその機能を活用して、医薬品開発等を含め、臨床研究・非臨床研究を支援する組織。薬機法より臨床研究法に基づいた業務の割合が高い。CROと混同されやすいがAROのほうが組織規模が小さいため、希少疾患などの研究に対応しやすい。予算が少ないことが多いため、Cheap CROなどとも呼ばれる。
- CRA(臨床開発モニター:Clinical Research Associate)
- 医薬品開発において、治験依頼者(製薬メーカー等)により任命されモニタリングを行う職種のこと。全国にある治験を実施している治験実施施設(病院・クリニック等)を訪問し、治験が当初の予定通りに進行しているのかチェック・監査(モニタリング)を行う。臨床開発モニターとしての専門資格はないが、看護師・薬剤師・臨床検査技師・MRなどの資格者を求められることが多くなっている。時にはカルテを読んだりする事もあるため、医学的な知識や経験が必要とされ出張が多いことが特徴。
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- CRC(治験コーディネーター:Clinical Research Coordinator)
- 治験実施施設(病院・クリニック等)で担当医師の指示のもと治験(臨床試験)をスピーディーかつ円滑に行う為にコーディネートする職種のこと。治験に参加する被験者に治験の説明を行い治験参加の同意を取得するインフォームドコンセントが重要な業務の一つとなる。治験コーディネーターとしての専門資格はないが、看護師・薬剤師・臨床検査技師などの資格者を求められることが多い。
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- CRF(症例報告書:Case Report Form)
- 各被験者に関して、治験依頼者に報告することがプロトコールにおいて規定されている全ての情報を記録するための、印刷されたまたは光学的もしくは電子的な記録様式およびこれらに記録されたもの。
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- CRO(開発業務支援機関:Contract Research Organization)
- 治験依頼者(製薬メーカー等)に代わり開発業務を行う会社のこと。主な業務はCRAによるモニタリング業務、DMによるデータマネジメント、統計解析などを行う。
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- CTMS(治験管理システム:Clinical Trial Management Solution)
- 治験の全プロセスを一元的に管理するシステムのこと。一貫したデータが共有されることにより、治験の効率化およびコストの削減が可能になる。
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- DBT(二重盲検比較試験:Double Blind Test)
- プラセボ反応を排除するために患者や医師・CRCにも、どの薬物を用いているかを知らせないで行う試験のこと。患者の反応性によって生じた偏り、並びに被験者選択・補助療法・観測評価などによって生じる医師側の偏りを排除することができる。
- DCT(分散型臨床試験:Decentralized Clinical Trial)
- 医療機関で行われていた臨床試験を自宅などに分散化させることで、患者が定期的に来院しなくても臨床試験に参加できる仕組みのこと。バーチャル臨床試験(VCT、Virtual Clinical Trial)、遠隔治験などとも呼ばれている。分散型臨床試験(DCT)は新たなデジタル技術の活用によって進められる。具体的には、被験者の募集・抽出対象を施設単位ではなく全国の患者とする、オンラインで説明、電子署名による同意取得、患者宅へ治験薬を直接配送、SNSや専用ツールによる確認、などがある。分散型臨床試験(DCT)を導入するためには、「同意説明は対面で行う」「治験薬をメーカーから直接配送できない」などの規制の壁の存在が今後の課題となっている。
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- DM(データマネジメント:Data Management)
- 治験実施施設(病院・クリニック等)で行われた治験によって確認された結果(症例報告書(CRF)のデータ)の統計解析を行うための準備をすること、もしくはその職種。データに問題があれば、臨床開発モニター(CRA)に再調査させ症例データを管理する。デスクワークがほとんどである。
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- eConsent(電子的同意取得/eコンセント)
- デジタルデバイスやネットワークを介して治験の説明や同意の取得を行うこと。例えば、事前に用意した動画を使用して治験の説明を行い、タブレットへの電子サインにより同意取得を行うなど。患者は必ずしも病院に出向く必要はなく、自宅にいながら治験に参加する意思表示ができる。
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- eCRF
- 電子化された症例報告書。
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- eCOA(electronic Clinical Outcome Assessment、電子臨床アウトカム評価)
- ePROも含めた臨床試験で収集される疾患の状態や病気の予後などを評価するシステムのこと。
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- ePD(electronic epatient diaries 電子患者日記)
- 患者様が病気や治療・生活への影響・わからないこと等を自由に記載し、医療者と十分に意思疎通するための電子交換日記帳。
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- ePRO(electronic Patient Reported Outcome、患者報告アウトカム電子システム)
- 調査票などの紙ではなくタブレットやスマートフォンなどを通じて、リアルタイムに患者さんの状態や状況を医療者に報告できるシステムのこと。
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- eSourece
- 治験の原資料となり得る電子的に記録された情報。
- 詳しくはこちら
- EDC(Electronic Data Capturing)
- 治験データの電子化システムで、電子的臨床検査情報収集システムのこと。治験担当医師、その他の治験スタッフがパソコンで症例データを入力し、そのデータをインターネットあるいは専用回線経由で治験依頼者に報告し、欠損チェック、整合性チェックなどのデータ管理が行われる。
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- FDA(アメリカ食品医薬品安全局:Food and Drugs Administration)
- 日本の厚生労働省にあたる規制当局のこと。
- FPI(First patient in)
- (試験全体で)最初の患者登録。SMOによっては表彰の対象としていることがある。
- GCP(医薬品の臨床試験の実施基準:Good Clinical Practice)
- 日米EUの三極で調和された、治験の質を確保するための治験の実施に関する基準のこと。新GCPは平成10年から実施されている。
- 新GCP(医薬品の臨床試験の実施基準:Good Clinical Practice)
- 平成10年4月、治験のより一層の適正な実施と日米欧の国際的三極調和を図るため、その内容を見直すとともに、薬機法(旧薬事法)に基づく省令による基準として治験依頼者、治験実施医療機関等に遵守を義務づけた新たなGCP基準のこと。従来のGCPと比較して、被験者への口頭ではなく文書による説明と同意の取得、より適正な治験の実施のための治験審査委員会の機能強化、治験事務局の設置、治験依頼者のモニタリング及び監査の受け入れ等が義務付けられたことが特徴。新GCP導入により治験実施施設の業務負担増加や、被験者からの同意取得困難などの原因により治験の停滞あるいは空洞化という現象に陥ったが現在は回復している。
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- 関連する用語
- GLP(非臨床試験の実施の基準:Good Laboratory Practice)
- 非臨床試験の動物における安全性試験の質を確保するための基準のこと。
- GMP(医薬品の製造管理・品質管理に関する基準:Good Manufacturing Practice)
- 医薬品製造工場における製造管理と品質管理の質を確保するための基準のこと。
- GPMSP(医薬品の市販後の調査の質を確保するための基準:Good Post-Marketing Surveillance Practice)
- 医薬品の市販後の調査の質を確保するための基準のこと。
- GPSP(医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施に関する基準:Good Post-marketing Study Practice)
- 医薬品の再審査、再評価資料の収集・作成に関する基準のこと。2005年4月にGPMSP が廃止されたのに伴い新設された。
- GVP(医薬品などの製造販売後の安全管理に関する基準:Good Vigilance Practice)
- 医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の適正使用情報の収集、検討、市販後安全確保措置の実施に関する基準のこと。2005年4月にGPMSPが廃止されたのに伴い新設された。
- IC(インフォームド・コンセント:Informed Consent)
- 治験を希望する患者が、治験担当医師又はCRC(治験コーディネーター)から、治験の内容(目的・方法・メリット・リスク等)が記載された同意説明文書の詳しい説明を受け、十分に理解し納得した上で自由意思によって参加に同意(文書同意)すること。
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- ICH(日米EC医薬品規制調和国際会議)
- 医薬品の承認審査のための技術要件の調和をはかる国際会議のこと。データの国際的な相互受け入れを実現し、臨床試験や動物実験の不必要なくり返しを防ぎ、優れた医薬品をより早く患者の手もとに届けることを目的として、1990年から日米欧において開催されている。
- ICH-GCP(The International Conference on Harmonization guidelines define Good Clinical Practice)
- ICHにおいて、医薬品の臨床試験成績の三極間における相互受け入れを促進するために作成された臨床研究における国際基準。新GCPはICH-GCPに準拠しているが日本独自のルールとなっている部分もあり、治験空洞化の原因の一つとも言われている。日本のGCPはICH-GCPに対比して省令GCP、J-GCPと言われる。
- 関連する用語
- IEC(倫理委員会:Independent Ethics Committee)
- 医学や科学分野以外の委員によって構成される独立した組織のこと。その責務は、被験者の人権、安全、及び被験者からのインフォームド・コンセントの取得や証拠の記録に使用される方法や、試料などを審査し、承認、是認することによって、その保護に公的な補償を与えること。EUROPEでのIRBの呼び方であり、機能も同様である。
- IP(治験薬:Investigational Product)
- 治験において使用される薬またはプラセボのこと。
- IRB(治験審査委員会:Institutional Review Board)
- 医学・歯学・薬学の専門家及びそれ以外の者によって構成される、医療機関の長・治験責任医師・治験依頼者から独立した委員会のこと。当委員会の責務は、治験実施計画書や被験者から文書によりインフォームドコンセントを得るのに使用される方法・資料等を審査すること。また継続審査を行うことによって、被験者の人権・安全・福祉の保護を確保する。
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- LPI(Last Patient In)
- (試験全体で)最後の患者登録。試験開始から短い期間で契約症例数分の症例登録を完了するほど原価が抑えられるため、SMOによっては表彰の対象としていることがある。
- MedDRA(医薬品規制用語集:Medical Dictionary for Regulatory Activities Terminology)
- 医薬品に関連する国際間の情報交換を迅速かつ的確におこなうために、ICHで作成された医薬品規制用語集のこと。
- MR(医薬情報担当者:Medical Representative)
- 医薬品の適正の使用に関して、医薬関係者を訪問し、適正使用情報を提供し、情報収集することを主な業務としている。
- MW(メディカルライター:Medical Writer)
- 治験薬概要書の作成や申請概要書の作成、治験総括報告書/臨床論文等の作成等の業務を担当する者を言う。治験総括報告書/臨床論文は英文・和文があるため、英語力も求められる職種のこと。
- OTC(一般用医薬品)
- 薬局で「処方箋」なしで購入できる医薬品のこと。薬剤師などによる適切な情報に基づき、使用者が「自己判断」「自己責任」で使用する医薬品のこと。
- PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
- 医薬品や医療機器などの承認審査、安全対策業務などを行う厚生労働省が管轄する独立行政法人。
- PMS(Post Marketing Surveillance)
- 厚生労働省によって認可され、販売および流通が始まった新薬の有効性・安全性を確認するために行われる調査のこと。なお、PMSで行われる調査は、GPSP(Good Post-marketing Study Practice:製造販売後調査・試験実施基準)ならびにGVP(Good Vigilance Practice:製造販売後安全管理基準)を遵守の元に行われる。PMSとして行われる調査としては、主に使用成績調査(新薬の服用者について、特定の条件を定めることなく、有効性および副作用に関する情報を広く集めるために行われる使用実態調査)、特定使用成績調査(治験において対象から外れていたグループ(小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害および肝機能障害をもつ人、長期に使用する人)を対象に、特定の条件下における新薬の有効性・副作用について確認するための使用実態調査)、市販直後調査(新薬投与後の患者の状態を6ヶ月間に渡って調査する。市販直後調査は、対象の医薬品を扱うすべての医療機関で実施される。この市販直後調査は、薬事法における「医薬品の市販後調査の基準に関する省令」の改正に伴い、2001年から実施が義務づけられている)の3つがある
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- PV(ファーマコビジランス:Pharmacovigilance)
- 当該治験に関する有害事象、副作用の情報を集めて評価する職種。副作用の知識や英語で書かれた文章を読む力が求められる。
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- PRT(プロトコール:Protocol)
- Protocolを略して表記したもので、治験実施計画書のことを指す。
- 関連する用語
- QC(品質管理:Quality Control)
- 治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な活動がQAになるが、その中で治験の質を検証する為に行われる品質管理活動がQCになる。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるため、GCPを熟知していないと対応できない。
- QA(品質保証:Quality Assurance)
- 治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な全活動を指す。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるので、GCPを熟知していないと対応できない。※QC活動はQAに含まれています。
- SAE(重篤な有害事象:Serious Adverse Event)
- 有害事象又は副作用のうち、①死亡に至るもの②生命を脅かすもの③治療のための入院もしくは入院・加療機関の延長が必要なもの④永続的もしくは重大な障害・機能不全に陥るもの⑤先天異常を来すもの⑥その他の重大な医学的事象を言う。
治験責任医師は重篤な有害事象を知り得てから原則として24時間以内に治験依頼者と実施医療機関の長へ重篤な有害事象に関する報告書(SAE報/速報)を提出する必要がある。
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- SAE報(重篤な有害事象に関する報告書)
- 重篤な有害事象に関する報告書のことを略してSAE報と呼ぶことが多い。SAE報はSAE(重篤な有害事象)発生直後に提出する第一報である詳細が付いていない「速報」と、詳細が分かってから提出する第二報以降の「詳細報」「追加報」に分けられる。
- SIV(開始訪問:Site Initiation Visit)
- 臨床試験開始前に製薬会社が施設を訪問して行う最終の打ち合わせ。SIVでは医師やCRA・CRCだけでなくさまざまな担当者が集まって実務の最終確認を行う。
- SBT(単盲検試験:Single Blind Test)
- 被験者にのみ、薬の内容を知らせないで行う試験のこと。
- SDV(直接閲覧:Source Data Verification)
- 治験で提供されたデータが正しいことをチェックするために、モニターや治験審査委員会の委員、厚生労働省の担当者が病院に保存されているカルテなどの治験関連記録類(原資料)を閲覧すること。
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- SMA(治験事務局担当者:Site Management Associate)
- CRCやCRA、治験担当医が治験をスムーズに行えるように、治験に必要な書類の作成や管理、各種委員会などの治験に関わる事務的な作業全般を担当する職種。SMOの場合は製薬会社や医療機関に対する営業的な役割を兼ねることもある。
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- SMO(治験施設支援機関:Site Management Organization/)
- 治験を行っている治験実施施設(病院・クリニック等)をサポートする会社。主な業務は治験業務の支援やIRBの設立運営、CRCの教育や派遣など。
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- SOP(標準業務手順書:Standard Operating Procedures)
- 治験業務を誰が実施しても適切に遂行できるように基本的な業務手順をまとめたマニュアルのこと。
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- SUM(Start Up Meeting)
- IRB承認後、責任医師・分担医師及び院内関連部署、CRC、CRAなどの依頼者が治験実施にあたって業務を検討する会議のこと。
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- TMF(Trial Master File)
- ICH-GCPで規定しているEssential Document(必須文書)に、治験の実施及びデータの品質に対する評価を補助する文書を加えた治験関連文書から成る文書群のこと。
- visit
- プロトコールで規定された被験者の来院のこと。