治験コーディネーター(CRC)の面接に落ちる人に共通する特徴は、治験コーディネーター(CRC)の面接で求められる「心構え」の理解ができていないことです。
そのため、何らかの理由で面接官に「治験コーディネーター(CRC)としてふさわしくない」と思われてしまい、残念ながら不採用となってしまいます。
こちらの記事では、「CRC未経験者」と「CRC経験者」のそれぞれについて、面接で不採用になる理由を6つのランキング形式にまとめたうえで、どのように対策をすれば良いか解説します。
もし、あなたが面接に落ちてしまったのであれば、次の面接を受ける前にこちらの記事に目を通してみてはいかがでしょうか。きっと何か思い当たることがあるはずです。
CRCの面接の心構えと不採用の理由
CRC経験者の面接の心構えと不採用の理由
面接で不採用にした理由ランキング(CRC経験者)
面接で不採用にした理由(経験別)
※CRCばんくが独自に集計した100名以上の不採用データ(調査期間:2015年4月~2024年11月、有効回答数:N=100~120)より。※複数回答あり
治験コーディネーター(CRC)の面接で、CRC経験者が不採用になる理由は主に以上の6つです。逆の言い方をすれば、この6つの理由に当てはまらないように心がければ、面接で採用される可能性が高くなると言えるでしょう。
面接を受ける前に、ご自身に当てはまる項目がないかをチェックして、当てはまる内容があれば修正したうえで面接を受けましょう。
不採用の理由1位は「協調性に不安を感じた」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、最も多かったのは「協調性に不安を感じた」でした。具体的には
- 自己中心的な感じを受けた
- 周囲のことを考えていない
- 柔軟性が低い
- 年下と接する際の対応に不安を感じる
- 一般常識に欠ける
などです。
主に35歳以上のCRC経験者が該当します。治験コーディネーター(CRC)の業務は共同作業であることが多く、常に周囲と協力して物事を進める必要があります。そのため、面接では「協調性が高いか」「チームで働けるかどうか」が厳しく見られます。
自己中心的で協調性に欠ける方は新しい職場で問題を起こす可能性が高くなるため、どれだけ仕事が優秀だったとしても面接官はトラブルを恐れて採用に及び腰になりがちです。
CRC経験者の面接の心構え 《その1》
- 転職直後は周囲の協力が不可欠。常に相手の立場にたった言動を心がけよう
- 年下の方への思いやりを忘れずに接しよう
そのため、面接では「年下と接することに抵抗感がないか」「年下から教えてもらう場合も発生するが問題ないか」などを必ず聞かれます。年上の方に教えるほうも辛いのです。お互いに思いやりの心を持って接したいですね。
最も良くないのは、自分では自己中心的ではないと思っているにもかかわらず、周囲からは自己中心的と思われている場合で、対処の方法がありません。
35歳以上の方は、少なからず自己中心的になっているという自覚を持ったうえで、面接を受けるようにしましょう。
不採用の理由2位は「謙虚さや素直さが足りない」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、2番目に多かったのは「謙虚さや素直さが足りない」でした。具体的には
- プライドが高そう
- 謙虚さがない
- 素直さを感じなかった
- 現状を改善する能力に欠ける
- 転職を甘く考えている
などです。
自分の仕事に自信がある方はプライドが高くなりがちですが、転職すると仕事のやり方が変わり、人間関係がリセットされます。特に転職直後は自分より年下の方や、経験が少ない人に教えを請う場面も発生します。
その時に「前の職場では~」「以前は問題なかった」と言い訳を繰り返して、新しい職場での仕事のやり方に不平を述べる方は、他の社員へも悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため、面接官は「新しい仕事のやり方に順応できるか」「新しい人間関係に馴染めるか」を面接で厳しくチェックしています。
CRC経験者の面接の心構え 《その2》
- 新しい職場へスムーズに馴染むためにはプライドを捨てる覚悟も必要
- 特に転職直後は「素直さ」と「謙虚さ」が大切
- 「前の職場では~」を言うことはなるべく控えよう
もし、新しい提案をするのであれば、まずは新しい会社の仕事のやり方をきちんと覚えた後にすべきです。
転職後の不平不満の多さと、短期間での転職は相関関係が高いため、転職直後は素直に周囲の意見に耳を傾け、思い通りにならないことがあっても我慢することを心がけましょう。
不採用の理由3位は「実績の説明があいまい」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、3番目に多かったのは「実績の説明があいまい」でした。具体的には
- 担当業務の内容の説明があいまい
- マネジメント業務の内容の説明があいまい
- 担当業務の詳細な説明が上手にできない
- 「担当施設数」「担当試験数」「担当症例数」「担当患者数」「投薬数」「逸脱数」「組み入れ数」を正確に言えない
- 面接の最初と最後で説明内容が異なる
- 発言内容が信頼性に欠け、嘘っぽい
などです。
実績を話すときには、担当業務の内容を明確にするだけでなく、「担当施設数」「担当試験数」「担当症例数」「担当患者数」「投薬数」「逸脱数」「組み入れ数」まで具体的な数字をまじえて話す必要があります。大切なことは実績を数字で言えるかどうかです。
応募者としては「そのような細かい実績の数字まで覚えていない」と愚痴を言いたくなるところですが、初対面の第三者に説明をするのですから、面接を受ける前に「担当業務の実績の細かい部分」を数字で頭にたたきこんでおきましょう。
そうしないと、面接が進むにつれ発言内容が変わってしまったり、面接で「およそ」「約」「たぶん」「確か」などのあいまいな表現を多用することになるため、面接官の応募者に対する信頼性が下がったり、嘘をついていると思われたりしてしまいます。
- 詳しくはこちら
- 面接でよく聞かれる質問と返答例
CRC経験者の面接の心構え 《その3》
- 数字をまじえて実績を話せるようにしておく
そのため、職務経歴書を見なおして、昔の実績も数字をまじえて説明できるように準備をしておくことが大切です。あいまいな返答を繰り返すと発言の真実性が下がるため、応募者のキャリアへの信頼が下がることになります。
不採用の理由4位は「仕事が長く続かなさそう」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、4番目に多かったのは「仕事が長く続かなさそう」でした。具体的には
- 転職回数が多くてすぐに辞めちゃいそう
- 子供ができたらすぐに辞めちゃいそう
- プライドが高くて柔軟性が低そう
- 扱いが難しそう
- 怒りっぽい
などです。
「転職回数が多い」「退職理由がわがまま」「プライドが高い」などの理由で治験コーディネーター(CRC)に転職しても、すぐに辞めてしまう可能性が高いと面接官に思われると、不採用になる可能性が高くなります。
女性の場合は「子供ができても仕事を続ける姿勢」を伝えることは大切です。また、年齢が高い方は、面接官に「プライドが高く柔軟性が欠ける」と思われてしまうと、早期に退職しても問題がないように契約社員での採用を打診される可能性が増えます。
CRC経験者の面接の心構え 《その4》
- 長期的に仕事に取り組む意思があることを伝える
- 子供ができても仕事を続ける意思があることを伝える
- 経験が豊富な人ほど「実るほど頭の下がる稲穂かな」を意識しよう
その方々に共通する傾向として「自分のことをプライドが高くないと思っており、非常に物腰が柔らかい丁寧な話し方をされる」ことです。
しかしながら、経験が豊富なのですから、本当は「経験が豊富でプライドが高いけれども、建前としてプライドが低いように振舞っているだけ」の方が多いです。そのため、そのギャップに悩んで短期間で退職してしまう方が多いです。
その場合はプライドが高いことを認めたうえで、新しい職場ではプライドを捨てる覚悟も合わせて持っていることを説明すると、良い結果が得られることが多いようです。
不採用の理由5位は「志望動機があいまい」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、5番目に多かったのは「志望動機があいまい」でした。具体的には
- なぜ再びCRCを目指したいのかはっきりと説明できない
- なぜ別のSMOへ転職したいのかあいまいである
- なぜSMOではなく院内CRCとして働きたいのかあいまいである
- SMOと院内CRCの違いを理解していない
- 将来、どのようなCRCになりたいかが分からない
- 弊社への熱意を感じなかった
- 弊社の特徴をあまり理解していないようだ
- 志望動機がずれている
- リーダー志向が少ない
などです。
「なぜ再びSMOなのか?」「なぜ院内CRCなのか?」「なぜ弊社なのか?」について明確に返答したうえで、返答内容が応募先企業の特徴と合致している必要があります。
明確な返答ができないと「応募の本気度が低くやる気が感じられない」と面接官に思われてしまいますし、応募先企業・病院の特徴と合致していないと「採用しても本人がやりたい仕事と違うから、すぐに辞めてしまうかもしれないな」と思われてしまいます。
特に院内CRCへの応募の場合は、採用数が1〜2名と少ないうえに応募者が殺到するため、少しでも志望動機があいまいですと不採用になる可能性が高くなります。
また、リーダーへの志向性が低い方は、面接官に「やる気が低い人」と見られてしまうため、出来る限り前向きな返答をするように心がけましょう。
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CRC経験者の面接の心構え 《その5》
- なぜ他社ではダメなのかを明確に説明できるようにしておく
- 応募先企業・病院の特徴に合致したCRC像を言えるようにイメージしておく
- 機会があれば、リーダーをやりたいことを伝える
- 院内CRCの正職員への志望動機は少しのミスも許されないことを理解しておく
内定者と不採用者の志望動機の違い
内定を獲得できる人 | 不採用になる人 | なぜ他社ではないかをきちんと説明できている。 | なぜ御社で働きたいか | 御社で働きたい理由が他社でも流用できる内容になっている。 |
応募先企業・病院の特徴に合致したCRC像を具体的に語ることができる。 | 将来像の説明 | 自分がやりたいことを語っているだけで、応募先企業・病院の特徴と合致していない。 |
自分の言葉や考えで熱い思いを伝えられる。 | 熱意 | どこかで聞いたことがあるような一般的な言葉でしか説明できない。 |
あなたの経験をもとにしたオンリーワンの志望動機を時間をかけて作ることが、結局は内定への最短距離となります。
そのようなことを避けるため、事前に第三者にチェックしてもらうことをオススメします。他の応募者よりも志望動機が優れていると面接官に思ってもらえないと、永遠に内定を獲得することができませんよ。
不採用の理由6位は「残業への対応に不安を感じた」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、6番目に多かったのは、「残業への対応に不安を感じた」でした。具体的には
- 子供の送り迎えがあり、残業への対応に不安を感じる
- 残業に抵抗感を持っているようだ
- 早出が余りできないようだ
- 「土曜日も出勤がある」と話をしたら嫌な顔をした
- 家庭と仕事の両立について安易に考えているようだ
などです。
治験コーディネーター(CRC)の仕事は「出張」「残業」「土曜出勤」を避けられない場合が多いです。そのため、出張や残業などに対して後ろ向きの発言をする応募者に対し、面接官は不安に感じて不採用にすることが多いようです。
また、主にお子様がいらっしゃる方の場合、育児のために出張や残業ができないと返答すると、残念ながら不採用となってしまう場合も多いです。
CRC経験者の面接の心構え 《その6》
- 「残業」「出張」「土曜出勤」に抵抗感がないことを伝える
- 家庭と仕事の両立についての覚悟を示す
要は社会人として「大人の返答」が求められていると言えるでしょう。自分自身で判断することは難しいため、友人などの第三者にチェックしてもらうといいようです。
ただし、この制度は「1年以上雇用されていること」が条件であることが多く、転職直後は適用されないことに気をつけましょう。