治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間のスケジュールを詳しく紹介します。 訪問型と常駐型ではスケジュールが異なりますので、それぞれについて別々に説明します。
治験コーディネーター(CRC)の業務は、治験実施の準備から始まり、被験者対応、検体処理、医師・スタッフへの連絡など、多岐にわたります。
「治験コーディネーター(CRC)の一日はどんな感じなの?」「治験コーディネーター(CRC)の一週間はどのような流れなの?」「治験コーディネーター(CRC)は何時にどこに出勤するの?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひこちらをご覧ください。詳しいスケジュールだけでなく、現場の声や裏話もお伝えします。
それでは、治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間を見ていきましょう!
治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間
治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間
常駐型CRCの一日
- 8:15
~
9:00 - 担当する病院へ出勤
- 新着メールの確認
事務所で新着メールを確認し、必要なものには返信します。 - 郵便物の確認
事務所に届いた郵便物を開封し、必要な書類や資料を確認します。 - 本日の業務を確認
その日の予定を確認した後、他の治験コーディネーター(CRC)や治験事務局担当者(SMA)と情報交換します。 - 捺印依頼書類の有無を確認
- 常駐型CRCは、病院に合わせて早い時間に出勤することが多いです。朝礼にも参加することが多いです。担当する病院に直接向かうため、移動時間は短くて済みます。
- 9:30
~
10:00 - 業務の準備
- カルテのチェック
来院予定の被験者のカルテをチェックします。 - 前回の来院時の検査結果を確認
- 検査内容の確認
今回の検査内容と評価項目を確認します。 - 検査キットの準備
- 治験薬の準備
- 被験者名、来院人数、来院時間を医師や看護師に報告
- CRCの業務には正確性が求められます。ベテランのCRCはきちんとした準備を怠りません。
- 検査会社へ検体回収の連絡
- 10:00
~
12:00 - 診察への付き添い
- 被験者と面談
予約時間になったら被験者と面談し、体調の変化や服薬状況を聞き取ります。 - 治験薬の服薬状況と残薬の確認
- 併用薬の変更の有無を確認
- 有害事象の有無を確認
- 医師やスタッフに検査の実施依頼
診察前に検査を行います。治験コーディネーター(CRC)は検査室に採血や尿検査のために付き添います。ここで異常値が出た場合は、薬を中止または減量する必要があるかもしれません。そのため、検査結果を一通り確認して必要であれば診察時に医師に伝えます。 - 医師の診察
医師からの依頼により、被験者に治験に関する補足説明を行います。 - 被験者さんが医師に伝えきれない場合は、CRCから医師に伝えることになります。診察の最後には、次回の診察や検査の予約も一緒にお願いできると業務がスムーズに進みます。忙しい医師の場合は、診察室に入らずにメモで予約などお願いすることもあります。
- 治験薬の処方の確認
治験薬だけでなく、他の薬についても聞かれることがあるため、何を飲んでいるか把握しておきます。 - 次回来院日の設定
- 治験協力費の支払、保険外併用療養費の依頼
治験では会計が通常の診療と異なることが多いので、治験コーディネーター(CRC)も同行します。
- 12:00
~
13:00 - 昼食
- 昼食
病院内の食堂で食べたり、休憩室で弁当を食べたりします。
- 13:00
~
15:00 - 打ち合わせ
- 医師やCRAとの打ち合わせ
カルテやCRF(症例報告書)の記載内容を確認し、医師と打ち合わせを行います。また、CRA(臨床開発モニター)に被験者の状況を報告します。問い合わせがあった場合は可能な範囲で返答します。 - SDV
CRA(臨床開発モニター)による直接閲覧の対応を行います。前回のSDVについての問い合わせに回答し、被験者の状態を簡単に伝えます。 - 安全性報告
国内外で起きた治験の副作用報告の内容をCRA(臨床開発モニター)に確認します。 - CRAと連携して業務を行います。CRAが病院に来る頻度は、だいたい1ヶ月に1回です。
経験豊富で協力的なCRAが担当であれば、スムーズに進みます。CRAの知識不足で業務が遅れて残業することもあります。日ごろから信頼関係を築くことが大切です。 - 採取した検体の処理と検査会社への提出
- CRF(症例報告書)の作成
- 後片付け
被験者ファイルや治験薬などを片付けます。
- 15:00
~
16:00 - 被験者のスクリーニング
- カルテスクリーニング
プロトコールと病院のカルテを照らし合わせ、治験の参加基準に適合する被験者を探します。 - 紹介スクリーニング
医師から治験の参加基準に適合しそうな患者様を紹介してもらいます。 - 予約患者スクリーニング
予約のある患者から治験の参加基準に適合する被験者を探します。 - スクリーニングの際に見落としがあると、せっかく治験に参加してもらったにも関わらず、参加基準に適合していないことが判明することがあります。そのため、見落としがないように、集中してカルテのすべてをチェックします。
- 16:00
~
16:30 - 資料の作成
- 安全性報告書の作成
IRBに提出するための安全性報告書を作成します。 - 説明会資料の作成
1週間後に開催予定の説明会のための資料を作成します。
- 16:30
~
17:30 - 業務のまとめ
- 本日の業務結果を報告
医師や看護師に伝達事項を伝えます。 - 被験者の次回来院日を報告
- CRAからの伝達事項を報告
- 次回訪問日を報告
- 捺印書類の提出を依頼
- 捺印書類の返却
- 必要書類の作成
- 今後のスケジュールをパソコンに入力
- 作業日報の提出
日報を提出すれば業務は終了です。 - 常駐型CRCは、出勤時間が早いという理由で、帰りも早いと思われがちです。しかし、実際にはそうではありません。仕事を終えるタイミングが分からなくなり、残業が長引くことも多いです。口癖は「作成しなければならない書類が山ほどある」です。
常駐型CRCの一週間
曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 午前 | 病院A | 病院A | 病院A 午後から病院内で勉強会 |
病院A 午後から病院内で会議 |
病院A |
午後 |
- 常駐型CRCは基本的に、毎日同じ病院に訪問します。
- 会社の事務所ではなく病院内で、事務処理や会議、勉強会などを行うことが多いです。
- 会社の事務所がある場合は、勉強会などに参加するために立ち寄ることもあります。